ギターを教えていると、意外と弦を押さえる方向について誰も考えていないことに気づきます。
実はこれがズレていると余計な力を必要としたり、弦を引っ張ってチョーキングみたいになることがあるので、地味ですが一度はちゃんと考えて実践した方がいいトピックです。
これに関してはギターのみならず弦楽器には全て当てはまるので、ベースやバイオリンなどを弾く方も考えてみてください。
まずは弦を押さえるときの正しい方向をご説明します。
下図はギターのネックの断面図です。
弦を押さえる正しい方向は、指板に対して垂直となります。
こうすることで最も力が伝わりやすくなります。
ちなみにこれは、指が弦と指板に対して真っ直ぐということではありません。
指の向きはどうあれ、力の方向が真っ直ぐということです。
また、物理的に考えると、指板にはRがあり、それに対応した方向で押さえる必要があるのかもしれませんが、実際にはそこまで考えなくてもいいでしょう。
下図はよくある間違った方向です。
写真のように指を不必要に伸ばして弦を押さえようとすると、こういう方向で弦を押さえてしまいがちです。
これだと力が上手く伝わらないことからさらに余計な力を必要としてしまいます。
また、真逆の方向に力が向かうこともあります。
これは写真のように指をぎゅっと握り込むように弦を押さえるパターンです。
握力を使って弦を押さえようとするとこうなります。
こちらの場合、チョーキング効果が出てしまうのでチューニングが狂いやすくなります。
そもそもギターの弦は握力で押さえてはいけません。
昔(たぶん今も)ギターの弦を押さえるために握力を鍛えようとまことしやかに言われてきましたが、そうすると上図のような変な方向性が付くので逆効果です。
では正しい方向性で弦を押さえるにはどうすればいいか?
それは方向をイメージしながら弾くことです。
常に弦を指板に向かって垂直に押さえることを心がけていけば自然と手がそのように動きます。
そうしていくと今までよりも楽に弦が押さえられるようになるはずです。
より詳しくフィンガリングについて知りたい人は教室までお越しください。