ハンマリングと連動してプリングというテクニックがあります。
これもピッキングせずに音を出し、レガートさを表現するものです。
よくハンマリングとセットで説明されるので、同じ動きをするものだと勘違いされていますが、それではしっかり発音できません。
また、プリングも力みが生じやすいテクニックでもあります。
「プリングぐらいできるわ」という方も、一度ここでおさらいしてみてください。
3弦5Fをプリングし、3弦3Fを発音するとします。
このとき、3弦5Fと3弦3Fを同時に押さえて先にプリングの準備していませんか?
実はこれ、必要ないんです。
プリングは準備しておかなくても、素早く移動すれば発音できるんです。
- 一般的なプリング
①3弦5Fと3弦3Fを同時に押さえている
②そこからプリング
- 合理的なプリング
①3弦5Fのみ先に押さえる
3弦3Fはまだ押さえない。
人指し指は浮いている状態。
②プリングと同時に3弦3Fを押さえる
正確にいうと、プリングのほんの少し前に人指し指を押さえていることになりますが、体感的には薬指を離してから人指し指を押さえる感じでも発音できます。
一般的なプリングはふたつのフレットを同時に押さえているため、やや力みが生じますが、プリング先のフレットを押さえている指を解除しておくとその力みが取れます。
一応補足しておくと、これは3弦5Fプリング→3弦3Fハンマリングではありません。
あくまでプリングです。
上記はまだフレットが近いからできただけだと思う人もいるかも知れません。
しかし、フレット間が離れていても同じです。
例えば3弦6F→3弦3Fとプリングするとしましょう。
このとき多くの人は距離を補うために3弦6Fを小指で押さえ、プリングしようとするでしょう。
また、同時に人差し指で3弦3Fも押さえているはずです。
これでは最初から力んでいるところに力の弱い小指でプリングをするので、疲れるうえにしっかり発音できません。
そこで、次のようにします。
①薬指で3弦6Fを押さえる
このとき3弦3Fは押さえません。
また、指を3弦3Fに近づけようとする必要もありません。
上記では人指し指が3弦3Fに届いていませんが、これで大丈夫です。
②プリングする瞬間手をヘッド側に動かしながら押弦
指だけを動かすのではなく、手を動かしてから押弦します。
そうすることで、遠いフレット間で指が離れていても無理なくプリングが可能となります。
手が小さい人はこちらの記事で解説した方法で距離を縮めてください。
ではプリングの発音について解説します。
まず間違った方法から。
- 間違ったプリング
わりと多いのが、指板を平面として見たとき、押弦した指を真上に上げるだけの人。
これではほとんど音が出ません。
- 正しいプリング
指板を上から見てみましょう。
①
②
薬指を矢印の方向にプリングします。
指板をブリッジ側から平面として見たとき、プリングする指は右上に跳ね上げるような感じです。
このとき、指でほんの少し弦を引っかけるようにしてみましょう。
そうすると大きな音がでるはずです。
さらにそこに前腕の回転を加えます。
③
これはプリングする前の状態。
④
ここから矢印の方向に前腕が回転します。
すると、掌がネックにギュっとおしつけられるような感じになります。
この指の方向と前腕の回転でプリングすれば必ず大きな音が出ます。
さらに詳しい解説は八幡謙介ギター教室in横浜にて。