さて、ひと通り「マリーゴールド」の譜面が書けたところで、その他の事項について解説してみたいと思います。
まず、歌詞を書くべきかどうか。
譜面に歌詞が書いてあって邪魔になるということは基本ありませんが、あえて断定すると、書かなくてもいいです。
そもそも歌手なら歌詞ぐらい覚えて当たり前だし、仮にまだ覚えていなくてもスマホのメモや別紙にプリントするなどカンペはどうとでも作成できます。
わざわざ譜面に書くといっためんどくさい方法を採る必要はありません。
また、プレイヤーは基本小節やコードを見て楽曲を把握するので、歌詞が書いてあろうとなかろうとあまり変わりません。
強いて言えば、オリジナルソングの総譜を資料(一般公開する公式の譜面等)としてどうしても作成したい場合のみ歌詞を書けばいいでしょう。
「キメ」とは音楽用語で、アンサンブル全員が合わせる箇所です。
例えばこちら、LUNA SEAの「True Blue」という曲の頭。
これが「キメ」です。
これを譜面に書いて指示するかどうかという問題。
正式な譜面なら絶対に書くべきですが、リードシートの場合はわりとその辺適当です。
キメはやるけどあえて譜面には書かない、オリジナルにはキメがあるけど自分達はやらない、キメは口頭で指示するなどなど、いろんな選択肢があります。
あと、小節とコードはなんとか書けるようになったけどキメまでは書けないという人もいるでしょう。
プロの仕事用の譜面ならいざしらず、バンド内の確認用だったり仲間内のための譜面ならキメまで細かく指示しなくてもなんとかなります。
ではメロディはどうでしょう?
これも歌詞と同じで、資料としての譜面ならば書いた方がいいのでしょうが、そうでなければ要りません。
歌手は譜面に書いてなくてもメロディぐらい分かるだろうし、各パートのプレイヤーもそもそも既にコードが書いてあればメロディがなくても演奏できます。
ただし、以下の場合はメロディを書いておいた方が無難です。
①オリジナルソングでコードに自信がない場合
オリジナルソングの譜面で、一応自分でコードを付けたもののあまり自信がなく、誰かに見せて確認してほしいときはメロディも書いておきましょう。
そうするとコードとメロディを照らし合わせて確認できます。
②インスト曲の場合
歌がなく、楽器でメロディを弾く場合は譜面にメロディを書いておいた方が無難です。
③バリエーションが多い歌の場合
ジャズや一部のポップスソングのように、いろんなバリエーションがあってもはやどれがオリジナルのメロディか分からない場合は、基準となるメロディを譜面に書いておいた方が無難です。
と、あえて初心者に分かりやすく断定していますが、常に臨機応変を忘れずに譜面をかくようにしてください。
渡す相手、バンドの形態、なにがしたいのか、期日や求めるクオリティなどなどで譜面は常に変化します。
今は譜面をデータ化して素早くやりとりができる時代なので、迷ったら一度早めに相手に送って確認してもらうなどしましょう。