最近レッスンで「Europa」をやっているせいか、改めてサンタナをちょくちょく聴くようになり、中でも「Smooth」がお気に入りです。
こちら。
ちなみに、この曲は第42回グラミー賞で最優秀レコード賞を獲得しています。
受賞時の映像はこちら。
さて、この曲ですが、簡単に言えばラテンとロックの融合であり、いわゆる「フュージョン」ということになるんでしょうが、フュージョンの持つ取って付けた印象や”フュージョン(融合)”とは名ばかりのジャンルの分離感、テクニックでねじ伏せようとする感じ、アメリカ人あるいは白人独特の”気軽さ”、それ故のルーツの軽視、それら全体から来る薄っぺらさというフュージョンの悪い面が完全に払拭されています。
まずこのSmoothはラテンとして聴けば100%ラテンに聞こえるし、ロックとして聴いても100%ロックに聞こえます。
そしてそのどちらも薄っぺらさはなく、いずれの要素も完全にバンドの血肉となっている印象があります。
『あー、これがフュージョン(融合)なのか…』となんか初めて分かった気がしました。
フュージョンという無機質な音楽はここに向かっていたんだなと。
だとするとSmoothはフュージョンの到達点ですね。
解体と融合を是として生まれたフュージョンミュージックが、”回帰”することで一つの頂点に到達するというのはなかなか不思議な現象です。
結局音楽にはルーツが必要だったということでしょうね。
余談ですが、Smoothってラテンだとどういうリズムになるのでしょうか?
ややマンボっぽいけどルンバっぽさも感じます。
もしかしたら正当なラテンのリズムではないのかもしれませんね。
ただ、ラテンのあのねっとりとしたエロいグルーヴはしっかり感じられます。
音楽とルーツについて興味がある人はぜひこの曲を聴いて考えてみてください。