八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

ギター講師八幡謙介がギターや音楽について綴るブログ。

Room335/ラリー・カールトンを弾いてみました


八幡謙介ギター教室in横浜

ラリー・カールトンの往年の名曲「Room335」を弾いてみました。

例によって一発撮り。

動画はこちら。

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初めてのフュージョン

ギターをはじめて30年、いわゆるフュージョンの曲もまともに演奏したのは僕の記憶が正しければこれが初めてです。

元々ビバップ野郎でフュージョン嫌いだったので、この曲もずっとダサいなと思っていたんですが、大人になってようやく魅力が分かってきました。

あと、Room335をやりたがる生徒さんも多く、それがきっかけでちゃんと聴くようになり、だったらレッスンのネタとしてちゃんと弾けるようにしておいた方がいいなと思っていました。

そしてようやく2023年の9月ぐらいから重い腰を上げて、人生初のフュージョン曲にとりかかることにしました。

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構成

曲を細かく見ていくと様々なギミックに溢れていて、確かにギタリストなら一度は挑戦してみたくなる価値があると分かってきました。

特にサビのコード進行はロックギタリストなら目ん玉が飛び出るほど難解でしょう。

サビ終わりに一度Gに着地するところも『うわー、こんなところまで凝ってるのか…』と感心しました。

メインフレーズのアッパーストラクチャー的なペンタの使い方も面白いですね(ここはまた解説します)。

そしてサビのⅡ-Ⅴ祭り。

こちらはジャズギタリストなのでそこは『なるほど、こんな感じね』とすぐに理解できました。

ジャズミュージシャンからすると結構ワンパターンなⅡ-Ⅴの連続で、テンプレ感すら感じられます。

ラストはロック的な弾きまくりゾーンに突入。

確かにギタリストならこれは楽しいわ……と、誰もがやりたがる理由がよく分かります。

 

 

ソロ

YOUTUBEでいろんな人の動画を観てみると、ほぼ100%皆カールトンのソロをコピーしてますね。

弾きがいのある素晴らしいソロだし、それにこのソロを自分で作るとなるとジャズの素養が必要となります。

ロックしかやってこなかった人には正直何やっていいのかチンプンカンプンでしょう。

個人的には人のソロをコピーするという選択肢はないので、迷うことなく自分のソロを弾くことにしました。

F♯-ペンタで弾けるところはいいとして、問題はサビです。

まあありきたりなⅡ-Ⅴの連続だからバップフレーズで弾けば楽勝っしょ?と高をくくってやってみたら、これが全然合いません。

何度かやってみると、どうやらこのサビはフュージョンの弾き方をする必要があることが分かってきました。

ジャズでもない、ロックでもない、と同時にどちらでもある”フュージョン”としてのライン、アタック感、グルーヴ感……

それこそこの30年、一度もやったことがなく、考えたことすらなかったので結構苦労しました。

ロック畑の人はジャズとフュージョンを一緒くたにしがちですが、全然違うんですよね。

まああれこれ試した結果が動画のソロです。

結果的にサビは決め打ちみたいになりました(サビもアドリブでやろうとするとどうしてもジャズの癖が出てフュージョンにならないので)。

それ以外はアドリブです。

世界観

この曲は世界観がとてもはっきりしているのでイメージすることは誰にでもできます。

晴れた空、綺麗な海、午前中、気温はやや高いもののいい感じに乾燥した気候、薄着でで出歩く人々、海を視界に入れながらオープンカーでパルムビーチを疾走……

そんなイメージで弾けばだいたいOKです。

ただ、曲が難しいのでイメージが切れやすいです。

僕もそこらへんが苦労しました。

曲頭でイメージを掴もうとしてなんか気持ち悪いノリ方になってます……

 

 

テクニック

この曲は難解な構造と高度なテクニックを要するハイレベルな楽曲で知られています。

確かに早めのテンポでかなり複雑なフレーズやソロを弾かなくてはならないのでテクニックは要りますが、「Far Beyond The Sun」ほどではなく、個人的にはそこまで技術的に苦労はしませんでした。

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グルーヴ

疾走感のある曲ですが、その疾走感をメタル的な文脈で理解すると途端にイメージが崩れてしまいます。

ダークで重たい疾走感ではなく、明るく、チルな疾走感というのがポイントです。

たぶん、ロック寄りの人は気持ち遅らせて、ジャズ寄りの人は気持ち早めて弾くのがちょうどいいと思います。

僕は若干突っ込み気味で弾きました。

カラオケ音源がわりとスピード感のある演奏になっていたので。

あと、全編16ビートがかなりはっきりと出た曲なので、そこも意識しました。

16ビートを流してしまうとなんか変にダレてしまいます。

この辺も”フュージョン”って感じがしますね。

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機材

ギターはおなじみプロト。

全編リアで弾いてます。

HELIXのセッティングはこちら。

これをRoland JC-22にリターン挿し。

マイクはAKG Rylaです。

 

 

ミス

実は2カ所ほどかなりはっきりしたミスをしています。

ひとつは人によってはそう弾いてるように聞こえるでしょう。

もう一つはコードを間違えてます。

分からなかった人はイヤトレ頑張りましょう。

ノーミスのテイクもありましたが、演奏がイマイチだったので消しました。

あと、テーマももう少しチルな弾き方をすればよかったなと若干後悔しています。

まあこれはこれで今の自分の記録として残しておきます。

後日談

宿題としてさっさと終わらせて、最近ハマってるブルースを弾こうと思っていたら雑用や熱に見舞われて伸び伸びになり、ようやく体調も回復してきて気合いで撮り終えた日、夕方から謎の腹痛に襲われ近年まれに見るほどお腹を壊してしまいました。

思い返しても変な物を食べた記憶もないし、そこまで体を冷やしたわけでもない……

もしかして初めてフュージョンを弾いたことで体が拒否反応を起こしたのかと本気で思ってしまいました。

まあ真相は分かりませんが。

Room335解説します

今回弾いてみて色々分かってき、面白い曲だなーと感心したので、ここからRoom335の解説を書いていきたいと思います。

自分が書かなくてもさんざん解説されてるだろうと思いYOUTUBEやブログなどを調べてみましたが、意外と真に迫ったものが見当たらなかったので。

興味ある人も多いだろうし、レッスンのネタにもなるのでやってみます。

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Room 335

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ラリー・カールトン公式サイト他

www.universal-music.co.jp

www.jvcmusic.co.jp

ラリー・カールトン - Wikipedia

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