八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

ギター講師八幡謙介がギターや音楽について綴るブログ。

譜面の書き方4 譜面を学ぶにあたって


八幡謙介ギター教室in横浜

実践編に入る前に、譜面の目的について再度確認しておきましょう。

前回の記事

k-yahata.hatenablog.com

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譜面は人に読ませるもの

譜面は自分のためのメモ書きではありません。

人に読ませる、読んでもらうために書くものです。

自分だけが分かるものは譜面とは呼べないし、だからそこに万国共通のルールがあります。

また、今後細かく説明していきますが、ルール以上の気遣いというものも具体的な書き方として存在します。

譜面を書く際は人が読んで読みやすいかを前提に書いていきましょう。

譜面を読む人に前提を求めない

譜面の利点は、その曲を知らなくても、楽器ができて譜面が読めれば世界中誰とでもセッションできることです。

歌詞を知っている前提、曲を聴いている前提、日本語が理解できる前提などなど、「これを知ってて当然」をベースに譜面を書くのはやめましょう。

それをしていると自分の音楽的世界を狭める原因になります。

といっても、譜面自体が「楽器ができて当然」「譜面が読めて当然」「コードが理解できて当然」という前提の元に成立している存在なのですが……。

そういった譜面の知識や音楽的な技術・知識は別問題として、何かそれ以上のものを前提として求めた譜面はNGです。

歌詞の上にコードだけ書いてある譜面もどきもそれに当たります。

あと、キメなどを「譜面には書かないけど曲聴いて覚えてやってね」というのも基本NGです。

やって欲しいことがあれば譜面に書きましょう。

 

 

初見で読めることを目標に

譜面の究極の目的は、曲を聴いたことがないプレイヤーが初見で最後まで一応弾けることです。

「一応」というのは、初見演奏にはどうしたって限界があるからです。

また、プレイヤーの歴や技術、譜面の得意不得意、曲の難易度などもあるので、誰が読んでも絶対初見で演奏できる譜面というのは存在しません。

そんなに複雑じゃない曲で、歴そこそこのプレイヤーが初見でロストせず最後まで読めるぐらいの行き届いた譜面を目指しましょう。

余談ですが、プレイヤーは適当な譜面のせいでロストさせられるのを嫌います。

譜面が悪いのになんか自分の技術やリーディング力が低いみたいに思われたら嫌ですからね。

逆に行き届いた読みやすい譜面だと演奏していて気持ちいいし、当然その譜面を書いた人の評価は上がります。

最終的にミュージシャンに譜面を渡すことなどを想定している人はその辺もよく考えて書けるようにしましょう。

ここは日本人が得意な気遣い、思いやりを存分に発揮すれば誰でもできることです。

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ある程度のローカルルールは受け入れよう

譜面の体裁は一応万国共通ではありますが、それでもローカルルールは山ほどあります。

何を書くか、省略するか、手書きなら個人個人の癖、小節の詰め方(1段に4小節以上詰め込む)、段の使い方、空白の使い方、コード表記、リピート記号の使い方等々。

さらにはどういう媒体で渡すか、電子ならどのアプリを使うか……。

これらが大きく分けるとジャンルごと、細かいと個人個人で違います。

それぞれの現場や、譜面をやりとりする相手に合わせて柔軟に変化できるようにしましょう。

まあここは実践で揉まれないと分からないところですが。

 

 

できるだけめくらなくていいように

プレイヤー視点で言うと、譜面はできるだけめくらないで最後まで読めるのが理想です。

基本的に楽器は両手を使いますし、クラシックのように譜めくりの人が側にいるなんてことはありません。

この点でいうと紙の譜面にアドバンテージがあります。

だいたいポピュラーミュージックなら12段3枚もあればリピート記号を駆使すれば最後まで書けますし、紙なら見開き3枚でめくらずに譜面台に置けます。

電子だと同じ体裁でも最低2回はめくらないといけなくなりますよね?

もちろんそれでも電子がいいという場合はそちらで結構ですが、その場合もめくる回数をできるだけ減らすことを心がけると読みやすくなります。

音楽性に理解のある譜面を

ローカルルールと同じで、音楽性によっても譜面の書き方が変わります。

例えば、ジャズのリードシートには基本イントロやエンディングが書いていません。

なぜならそれは即興で作るものだからです。

それが当たり前なので「イントロ、アドリブで」「エンディング、アドリブで」といった表記すらありません。

譜面にそんなことが書いてあったらジャズミュージシャンは『こいつナメてんのかな?』と思います。

そういった音楽性にあった譜面を書けるようにしましょう。

これも現場で揉まれるしかないですね。

 

 

いよいよ実践編へ

さて、4回に渡って長々と前提をお話しましたが、いよいよ次回から実践編に突入します。

実際の楽曲で学んだ方が早いので、課題今日はあいみょんの「マリーゴールド」にします。

www.youtube.com

知らない人は聴いておいてください。

ある程度譜面書ける人は先に自分で書いてから本シリーズを読んで直していってもいいでしょう。

 

ちなみに本シリーズはあくまで譜面の書き方のレクチャーなので、コードの取り方については説明しません。

知ってるものとして進めていきますので、耳コピしておくかネットで拾っておいてください。

コード表記のルールなどは説明するつもりです。

 

メロディなど音符の書き方もどこかで解説すると思いますが、それも超基本はたぶん飛ばします。

あくまで譜面としてどう書いたら読みやすいか/読みにくいかといった説明になると思います。

4分音符がこれで8分音符がこうで……みたいなのは説明しないので分からない方はどこかで勉強しておいてください。

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