八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

ギター講師八幡謙介がギターや音楽について綴るブログ。

HELIX RackをJC-22「リターン挿し」で使った感想


八幡謙介ギター教室in横浜

先日、壊れたギターが売れたのでその差額でRoland JC-22を買いました。

JCシリーズでは一番小さいモデルです。

これにした理由はこちらにも書きましたが、

k-yahata.hatenablog.com

HELIXをリターン挿しで使いたかったからです。

さて、その結果は?

 

最高でした!

 

ということで使用感を書いてみたいと思います。

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リターン挿しって何?

まず基本的な知識から。

知ってる人は飛ばしてください。

 

ギターアンプは基本「INPUT」にケーブルを挿します。

(JC-22表)

f:id:k_yahata:20230704183444j:image

そして、ヴォリュームやイコライザーなどをいじって音を作ります。

しかし、「INPUT」にあえてケーブルを挿さずに「SEND/RETURN」端子の「RETURN」に挿すことを「リターン挿し」といいます。

(JC-22裏)

f:id:k_yahata:20230704183457j:image

SEND/RETURN端子が何なのかはここでは説明しませんが、このRETURN端子にケーブルを挿しても音が出ます。

ではなぜわざわざこんなことをするのか?

簡単に言うと、JC-22というアンプのキャラクターをできるだけフラットにするためです。

エフェクターやアンプシミュレーターは、それ自体が個性を持っています。

それをギターアンプのINPUTにつなげてさらにアンプの個性まで足してしまうと邪魔なことが多々あります。

例えるなら化粧をした顔にさらに化粧をするようなものです。

一度すっぴんにした方が化粧が映えるのと同じで、リターン挿しをしてアンプの個性を一度なくしてやると、エフェクターやシミュレーターの個性が存分に発揮できるということです。

リターン挿しの結果は?

とまあ上記が定説としてあり、Youtubeなどでも実験動画が出ていますが、使ってみないと分かりません。

ということで恐る恐るHELIXをJCのリターン端子に挿して音を出してみたところ、既に述べた通り最高でした。

以下感想。

 

・音は太い

・各アンプのキャラクターは、サウンドよりも質感が出てくる感じ

・モニターで出すよりもエフェクターの効きがいい

・JC臭さはあまり感じない

・モニタースピーカー向きのアンプモデルと、JC向きのアンプモデルがある

・クリーン、クランチ系とJCの相性がいい

 

といった印象です。

ちなみに、JCのインプットにギターを直でつないで久々に弾いてみましたが、懐かしい嫌いな音でした。

だからJC買うのためらってたんですよね……

そんなJC嫌いの僕ですが、HELIXをリターン挿しにすると最高といえる音になるので不思議です。

JCの嫌なところがそぎ落とされて、HELIXのいいところとギターアンプ的な太さがマッチしてとても心地いいサウンドです。

さすが最強のリファレンスアンプ。

特に最小モデルのJC-22でもちゃんとリターン端子を付けているところが「分かってる」アンプですね。

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モニタースピーカーとリターン挿しの違い

同じHELIXをモニタースピーカーからとギターアンプからリターン挿しで出力してみて、その違いや特性を書いておきます。

モニタースピーカー

(使っていたのはこちら)

メリット

・スピーカー自体に強い個性がないので各モデリングのサウンドがフラットに出力される

・イコライザーでギターアンプっぽく調整可

・オケに混ざったときの音が想像しやすい

 

デメリット

・ギターアンプに比べてやや音の芯に欠ける

・ギターアンプ的な圧が足りない

・ピッキングへの音の追従があともうひとつといったところ

・ギターアンプとして使うためにはイコライザーやインシュレーターを使うなど、サウンドのチューニングが必要

・ライブでは使えない

リターン挿し

メリット

・ギターアンプ特有のアタック感や張りが出る

・ライブでも使える

 

デメリット

・ある程度アンプの個性が反映される

・RETURN端子のないアンプでは使えない

リターン挿しでアンプの個性は消えるか?

よく「リターン挿しをすればアンプの個性は完全に消えますか?」「完全にフラットなスピーカーとして使えますか?」という質問があります。

今回JC-22をリターン挿しで使ってみて、アンプの個性は9割は消えたと感じました。

JC的な質感は少しは感じられますが、JC嫌いの僕でも全然気にならないほどです。

ただ、どのアンプでもそうなのか、JCだからなのかは分かりません。

Marshallなんかは個性がしっかり残りそうな気もします。

 

ちなみに、YoutubeでのRETURN挿/INPUT挿しの比較動画よりも実際に使った方が違いははっきり出ます。

JCへのRETURN挿しはYoutubeで観るよりもっとクリアです。

ここらへんが、僕がYoutube動画をそこまで信用しない理由でもあり、機材動画を出さない理由でもあります。

スピーカーか、リターン挿しか

最後に、モデリングアンプをスピーカーから出力するか、リターン挿しで出力するかで悩んでいる人にアドバイスしておきます。

 

音源制作中心に活動する人はモニターからでいいと思います。

その方がサウンドのキャラクターが分かりやすいし、オケの中に入ったときの音も想像しやすいと思います。

実際に音楽活動をする人、それを想定している人はリターン挿しでアンプから出力した方がいいでしょう。

特にJCだとどこのスタジオ、ライブハウスに行っても必ず置いてるので、バンド練習やライブ本番に向けた音作りがしやすいです。

 

モデリングアンプをモニタースピーカーとアンプのリターン挿し両方使ってみて、どっちが絶対に優れているというものではなかったので、絶対にこうした方がいいというのはありません。

できれば両方試してみて自分の活動にあった方を選びましょう。

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HELIX Rack

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