初期の記事で軽く説明しましたが、エレキギターにはアンプが必要です。
ではアンプとは何かというと、音を増幅させる機械です。
今回そのアンプについてもう少し詳しくご説明します。
なお、今回取り上げるアンプはあくまで機能や形などを説明するためのもので、初心者におすすめというわけではありません。
おすすめアンプは購入編で取り上げます。
実はアンプにもいろいろあって、オーディオ用、ギター用、ベース用、PA用など様々です。
ギタリストはもちろんギター専用のアンプ「ギターアンプ」を使います。
間違ってベース用やオーディオ用を買わないようにしましょう。
以下「アンプ」とはギターアンプのことを指します。
ではアンプの構造を簡単にご説明します。
アンプは3つのセクションで構成されます。
プリアンプ
ギターから信号を受け、ちょっとだけ増幅する。
パワーアンプ
プリアンプでちょっと増幅した音を、もっと増幅する。
スピーカー
音を出す。
この3つがあってはじめてアンプとして機能します。
「じゃあ3つも機械を買わないといけないの?」
「でもアンプって大きな箱みたいな形だったような……」
そこらへんについてご説明します。
アーティストの機材だったり、スタジオや楽器店で箱形のアンプを見たことがある人も多いと思います。
例えばこんなやつ。
これを「コンボアンプ」と言います。
コンボの語源は英語のcombinationで、この場合は「小さい」という意味です。
さて、こちらは見て分かるように、一つの箱のような形になっており、この中にプリアンプ、パワーアンプ、スピーカーが詰まっています。
だからこれだけでちゃんとギターアンプとして機能します。
初心者は基本このコンボタイプを使うことになります。
といっても初心者向けというわけではなく、プロでもコンボアンプをメインで使う人もいます。
もうひとつは「スタック」と呼ばれる形です。
ライブなどで見る、上と下に分かれているでっかいアンプです。
スイッチやツマミが付いている長方形(だいたい上に乗っかってる)のがヘッドです。
Marshallのヘッド
こちらが、プリ・パワーアンプ部。
そして、台座のようなでっかい部分がスピーカーです。
Marshallのスピーカー
MARSHALL ( マーシャル ) / JVM210H MARSHALL ( マーシャル ) / 1960A
この場合、ヘッドだけ、スピーカーだけ買っても音は出ません。
といっても、それぞれウン十万とかするので、たぶん間違って買うことはないと思います。
仮に購入できる資金があってもでかすぎて邪魔だし、音も大きすぎます。
ギター機材にいくらでもお金をかけられて、自宅に完全防音の大きなスタジオがある初心者なら買っても問題ありませんが……
コンボとスタック以外に、アンプには増幅回路の違いがあります。
・真空管(チューブ)
・トランジスタ(ソリッドステート)
また難しそうな用語が出てきました…
以下簡単にご説明します。
真空管を使って音を増幅するアンプ。
アンプの中にこんなんが入ってます。
以下、特徴。
・太くて暖かい音がする
・ときにキツイ音もする
・ピッキングに対する反応がよい
・真空管は消耗品で交換が必要
・壊れやすい
・高い
音はいいけど高くて壊れやすい。
一言でいうと、上級者向けアンプ。
真空管アンプの例
トランジスタという電子回路を使ったアンプ。
特徴は以下の通り。
・真空管よりも音に味わいがない
・丈夫で壊れにくい
・定期的な部品の交換不要
・安い
安くて壊れにくい、初心者に優しいアンプがトランジスタです。
トランジスタアンプの例
これら以外にも「アンプ」と呼べるものはありますが、説明や用途が難しくなっていくのでパスします。
とりあえず初心者はコンボのトランジスタアンプで十分です。
値段的にも自然とそのへんに収まると思います。
実際におすすめするモデルは後ほど購入編で書きます。
初心者の方はとりあえず自宅でギターを弾くことから始めると思いますが、では出力はどれぐらいあったらいいのでしょうか?
とりあえず目安として10ワットあれば十分です。
仮に20ワット30ワットのものでも、アンプにはヴォリュームがあるのでヴォリュームを抑えて使えばいいだけですし、高出力のものだと値段も高くなっていきサイズも大きくなるので必然的に敬遠すると思います。
自宅用なら無理してワット数の大きいものも買う必要はありません。
初心者用アンプでも海外のメーカーのものがほとんどですが、これは普通に日本で使えます。
たまにプラグが3本のものがあったりしますが、だいたい変換プラグがついていたりします。
特殊な変換器具などは必要ないのでご心配なく。
最後に、アンプの中でもひときわ小さい「ミニアンプ」というものがあります。
これはおもちゃレベルのアンプなので「コスパがいい」「かわいいから」「小さくて便利そう」と思っても購入はやめておきましょう。
基本的に掌に乗る小ささのアンプはちゃんとしたアンプではありません。
ミニアンプに5千円も足せば初心者用の出来のいいアンプが購入できます。
詳しくは購入編にて。