アンプが音を増幅する機械だということは分かったと思います。
今回はさらにアンプの機能についてご説明したいと思います。
アンプの画像や動画なんかを見ると、スイッチやツマミがたくさんついていて、それだけで「難しそう」と思ってしまう人もいるかと思います。
まあいじっていれば自然と理解できるものですが、食わず嫌い(?)の人のために、各ツマミやスイッチがどんな機能を持っているのかを、講師私物のアンプでご紹介します。
ただ、ツマミやスイッチの数、機能はアンプごとに全然違うので、全てを網羅することは出来ません。
アンプの一例として「そうなってるんだ」「そんなこともできるんだ…」と理解してもらえれば幸いです。
こちらは僕が愛用しているアンプです。
ROLANDというメーカー(某ホストではなく…)のBlues Cubeというモデルです。
第17回で説明した”コンボ”タイプで、回路は”トランジスタ”です。
トランジスタでありながら真空管に近い暖かみのあるサウンドが特徴です。
まずはこちらのパネルを見てみましょう。
このようになっています。
以下、それぞれの機能をご紹介します。
上記パネルの一番左「INPUT」にケーブルを挿します。
よく見ると「HIGH」と「LO」がありますが、今は気にしなくて結構です。
INPUTは基本ひとつあれば十分です。
一番右には「POWER」とあります。
ここが電源スイッチです。
ここをオンにするとアンプが稼働します。
本機はチャンネルがふたつあります。
「CLEAN」チャンネルと「CRUNCH」チャンネルです。
CLEANは綺麗な音、CRUNCHは歪んだ音が出ます。
それらを「CH SELECT」で選択します。
それぞれのチャンネルに「BOOST」「TONE」というスイッチがあります。
「BOOST」は、やや歪みを足す機能です。
「TONE」を押すと若干音が明るくなります。
CRUNCHチャンネルには「GAIN」というツマミがあります。
これは歪みの量を調節する役割があります。
GAINというツマミは多くのアンプに搭載されているので覚えておきましょう。
どんなアンプにも必ずついているのがイコライザーです。
本機には「TREBLE」「MIDDLE」「BASS」とあります。
表記は様々で、例えば「HI」「MID」「LO」と書かれてあるものもあります。
いずれにせよ「高域」「中域」「低域」のことで、だいたいこの三つの帯域をツマミで補正することができます。
中にはもっと細かい補正が可能がアンプもあれば、高域と低域しかないものもあります。
イコライザーが多いからいいとか少ないから悪いとは言えません。
また、同じイコライザーでもめっちゃ効くものと、全然効かないものがあります。
Blues Cubeはイコライザーの効きが悪く、その点は不満を感じています。
個人的にこれを使うときはStrymon社のIRIDIUMというアンプシミュレーターをかましてさらに補正しています。
多くのアンプには「REVERB(リバーブ)」というエフェクターが内蔵されています。
ここを上げると、お風呂で歌ったような残響音が出ます。
もちろんついてないアンプもありますし、もっといろんな種類のエフェクターがついているものもあります。
その横の「MASTER」は、マスターヴォリュームのことです。
全体を見てみると、CLEANやCRUNCHチャンネルにもヴォリュームがついていますよね?
それら全てのヴォリュームを統括するのがMASTERです。
このマスターヴォリュームとチャンネルのヴォリュームのバランスで音が微妙に変化します。
マスター10:チャンネル1と、マスター1:チャンネル10だと音が違います。
その辺が面白いところです。
「POWER CONTROLE」については知らなくて結構です。
もうひとつはFENDER社の小型アンプ、Champion20です。
こちらは生徒さん用のアンプです。
比較的小型でスペースを取らないことと、機能が多いので様々なタイプの生徒さんのニーズに応えられることを見込んで購入しました。
結果的にとてもよかったのでずっと使っています。
では機能を見ていきましょう。
INPUTはひとつ、スイッチは裏面にあります。
「GAIN」は歪みの調節、「VOLUME」はひとつで、これがマスターヴォリュームになります。
そしてイコライザーは「TREBLE」と「BASS」のみ、本機には「MIDDLE」がありません。
本機の特徴として、アンプそのものに「アンプシミュレーター」が内蔵されていることです。
アンプシミュレーターについてはこちらでご説明しました。
第18回で結論として「初心者にアンプシミュレーターはいらない」と書きましたが、このFender Champion20はそもそもが「アンプ」で、そこにシミュレーターが内蔵されたモデルです。
「VOICE」というツマミがあり、その周りに「TWEED」「BLACKPANEL」「BRITISH」「METAL」と書いてあります。
このツマミを回していくと、それぞれシミュレートされたアンプの音が出てきます。
各セクションに3種類アンプがプログラムされているので、系12種類のアンプがこれ1台で使えることになります。
「TWEED」から時計回りに回していくとだんだん歪みが強くなっていくのも分かりやすいくていいです。
正直、音はまあまあですが、1台でいろんな音色が出せるのでコスパはかなり高いです。
ちなみに、この「VOICE」というツマミはたぶん他のどのアンプにもついていないでしょう(アンプシミュレーター内蔵アンプは各社から出ていますが)。
さらに本機には多彩なエフェクターが内蔵されています。
Blues Cubeはリバーブのみでしたが、本機は複数ついています(なぜかカップリングされていたりしますが)。
「FX SERECT」でエフェクターを選択し、「FX LEVEL」でエフェクターの効き具合を調節します。
エフェクターの説明は今はしません。
本機は低価格ながら機能がてんこ盛りで、今どきという感じがします。
2台のアンプを見比べても、機能が全然違うということが分かったと思います。
また今回は端折りましたが、ヘッドホン端子やUSB接続、AUXin、その他いろんな機能がまだまだあります。
中にはスマホと連動しているアンプもあったりします。
いろんなアンプを見て自分に合ったものを選べるようになると、ギターライフがより充実したものになります。
「余計な機能は何もいらない、音さえ出ればいい」という人は、最低限ヴォリュームとイコライザーがついていれば問題ありません。