個人的に、新譜が出たら必ず聴くアーティストというのはあまりいないのですが、YUKIだけはほぼ毎回チェックしています(前のアルバムは聴いてないけど…)。
知らない人のために言っておくと、元Judy and Maryというバンドのヴォーカルです。
僕はジュディマリ世代ではありますが、ソロのYUKIの方が音楽的に好きですし、毎回新譜を聴くと好きが更新されます。
今回も軽く聴いただけでYUKIの中で一番好きなアルバムになりました。
以前このブログでもご紹介しましたが、YUKIはJ-POPの一番いい音を出すアーティストでした。
でもこの「Terminal」は、どっちかというとアメリカ的な立体的でファットなサウンドになっています。
ギュっと詰まった感じというよりは、立体的に開けた感じです。
今回はプロデューサーを複数起用しているからかもしれません(前回どうだか知らないので、最近の路線なのかも)。
ぜひいい音で聴いてほしいです。
一言でいうと「大人」です。
どっちかというと打ち込みが多く、ダンサブルな楽曲が目立ちますが、振りをつけてゴリゴリに踊るというより、自然にちょっと体を揺らすような感じ。
J-POP的なごった煮感も少し見られますが、全体的に足して足してというよりは引いて作っている感じがあります。
どちらかというと海外の標準に合わせているような印象があります。
さて、YUKIといえばジュディマリ時代はポップアイコンとして一世を風靡しましたが(女の子はみんなYUKIちゃんになりたがっていた時代があった)、ソロになってからも色あせない可愛さを持っていました。
joyやPRISMICの頃はまだまだ可愛らしさを前面に出していましたが、今回のアルバムでは表面的な可愛さはあんまり感じません。
ただ、時々奥の方からなんとも言えない可愛さがにじみ出てくる瞬間があって、そこがとても人間らしくて好感が持てます。
昔「YUKIはぶりっこだから嫌い」と言って聞かない人がわりといましたが、そういう毛嫌いしてきた人にこそ今回のTerminalを聴いて欲しいと思います。
私見ですが、YUKIの醍醐味は進化にあると思います。 同じことをずっとやり続けたり、「あの頃」を頑張ってキープし続けるアーティストもそれはそれで凄いと思いますが、今この時代にこの人が何を考えて、何を吸収して、どこに向かっているのかを、アルバムを通して教えてくれるのがYUKIです。
だから僕はYUKIのアルバムは迷わず定価でお店から買います(ダウンロードでもフリマでもレンタルでもなく)。
迷わずそうするのはYUKIぐらいでしょうね。 他はほとんどYOUTUBEで済ませるか、気に入っても一曲DLするぐらいです。