大炎上の小山田圭吾(CORNELIUS)のCDをTSUTAYAで借りて聴いてみました。
この二枚。
比較的新しいのと古いのを聴いたらこの人の音楽がわかるかなーと思って。
あと、あえてバイアスのかかった状態で音楽を聴いてみて自分がどう感じるのかを試してみたかったので。
結果、なんてことはなく、かけた瞬間から僕は音楽を音楽として聴いていました。
まあ、これでもミュージシャンなんで、音楽に変なバイアスかけないよう長年訓練してきたから、あんないじめをしていた人の音楽でも純粋に音楽として聴いている自分がいて、ほっとするやら、逆に不安になるやら……
そもそもジャズなんてクズの巣窟ですから、いちいち人間性加味してたら何も聴けませんしね。
「Fantasma」をはじめて聴いて、正直驚きました。
『あれ、このサウンド、この感じ……』
僕の音楽体験でいうと、すぐにカヒミ・カリイを思い浮かべました。
調べてみたら僕が中学生の頃から聴いてる「Girly」というアルバムに収録されている「Candy Man」という楽曲を小山田氏がプロデュースしています。
これ。
わー、俺めっちゃ影響受けてるわww
30年ぐらい前から聞いてるけど、小山田氏プロデュースってはじめて知った。
他にもいっぱいあるんでしょうね。
「Fantasma」を2021年に初めて聴いて、『あー、これはJ-POPに植えられた種で、間違いなく数え切れない花を咲かせているわ』と確信しました。
これを教科書にして音楽やってき、成功して今に至るミュージシャンは沢山居ると思いますよ。
それはどういうことかというと、J-POPを熱心に聴く人は必ずどこかで小山田氏が蒔いた種から生まれたものを享受しており、これからも享受し続けるということです。
小山田氏の音を一切聴きたくないという人は、たぶんJ-POP聴くのをやめないといけないでしょうね。
それぐらい、小山田氏のサウンドやポップ感は、J-POPの血肉になっており、教科書になっていると「Fantasma」を聴いて確信しました。
ここで名前を挙げるとさすがにそのアーティストへの風評被害になりそうなのでやめときますが、近年のアーティストで明らかに小山田サウンドなものはすぐに出てきます。
いじめ問題で小山田氏の音楽を一切聴かないと公言している人を散見しました。
しかし、それってそんな簡単な問題じゃないんですよね。
極論すれば、小山田氏の音を受け入れるか、J-POPやめるかという問題になってきます。
B'zしか聴かないとか、長渕以外興味ないという人なら別にいいんですが。
それぐらい小山田サウンドってもうあっちこっちで種が蒔かれ、芽吹いて、咲き誇ってるんだろうなと「Fantasma」を聴いて純粋に思いました。
最後に、僕は人間と音楽を分けた方がいいと考えます。
人格者の音楽しか聴かないというのなら、歴史に残る素晴らしい音楽のほとんどが聴けなくなってしまいますし、これからも信じていたアーティストの過去を知ってちょくちょく傷付くことになりますよ。
それよりも、人間は人間、音楽は音楽として分けた方が楽しいし幸せなのは間違いないと思います。
それは意識して訓練すれば誰でもできると思います。
小山田氏は非難すべきだけど、彼の音楽は素晴らしい、その影響を受けたアーティストにも素晴らしいものがたくさんある、それで別にいいんじゃないかと思いますが。
それでも人間=音楽だというのなら、膨大な小山田氏プロデュースの楽曲をリストアップして、持ってるものは全部捨てましょう。
あと、アーティストのインタビューとかその人の好きな音源を調べて、少しでも小山田氏の影響が見られれば、そのアーティストを聴くのもやめましょう。
相当大変な作業になると思いますが…
追記