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ギターのフォームを学ぶ意義 フォームを無視していいのは天才ギタリストだけ


八幡謙介ギター教室in横浜

エレキギターの世界にはいつまでもフォーム不要論がはびこっています。

 

「歴史に残るギタリストのフォームを見てみなよ、一人一人全然違うだろ?だからそれぞれ個性が出て素晴らしい演奏ができる。つまり”正しいフォーム”なんて存在しないんだ。フォームなんてチマチマ考えないで自由に弾きなよ!それが君の個性につながるから」

 

……そう言われると、まだギターをはじめたばかりのギターキッズなんかは「おお!そうか!」と変に勇気付けられて好きなように弾いてしまうでしょう。

これが大問題なのです。

 

フォーム不要論は、歴史に名を残す天才ギタリストがそれぞれ独自のフォームで演奏していたことを挙げ、だから君も自分のフォームで弾けばいい=フォームなんて気にしなくていい、と説きます。

では質問です。

 

お前は歴史に名を残す天才ギタリストなのか?

 

もしあなたが歴史に名を残すほどの天才ギタリストだったなら(そうなることを信じて疑わないのなら)、フォームなんて気にせず自由に弾けばいいでしょう。

きっと近い将来世界を股にかけるミュージシャンとして活躍できるはずです。

しかし、99.9%の人はそうではありません。

凡人です。

凡人がフォームを気にせず好き勝手弾けばどうなるか?

ほとんどの人はあるレベルで上達が止まってしまうでしょう。

また、多くの人は怪我をします。

若いうちは順調に上達し、プロになれたとしても、ある年齢からもう腕が思うように動かなくなってくることもあります。

これらは実際に僕がレッスンで見てきた人たちです。

しかし、なかなか表には出てきません。

地味でつまらなく、夢がない話だからです。

それよりも上記のフォーム不要論のような、派手で豪快で夢のある話を皆聞きたがります。

だからギター界隈には、(人気を得たいため)フォーム不要論を唱える発信者が後を絶たないのでしょう。

僕もできることなら派手で夢のあることを語っていたいです。

しかしそれでは嘘になるので、本当のことを伝えるようにしています。

 

天才は好きにやればいいです。

しかし、それ以外の99.9%の凡人は正しいフォームを学ぶ必要があると僕は考えます。

そうすることで怪我を回避したり、弾けなかったことが弾けるようになったり、長くギターを弾いていられるようになります。

0.000000001%の自分が天才である可能性を信じてフォームを無視し、行き詰まったり怪我をしたりするより、さっさと自分は凡人であることを認めて合理的なフォームを学び、思ってたよりまあまあ弾けるようになった方が絶対楽しいと僕は思います。 

言うまでもなく、僕も後者です。