八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

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フィンガリングで親指を伸ばすと力の流れが分散する


八幡謙介ギター教室in横浜

ギターのフィンガリング(運指)について。

「ギタリスト身体論」刊行以来、かれこれ14年近くフィンガリング時の親指について解説してきました。

今回は「力の流れ」という視点から、フィンガリングの際の親指の使い方について説明したいと思います。

 

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脱力した手とは?

まず、脱力した手とはどういうものかについて写真で解説します。

  • 写真①

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このように手を出して力を抜いてみてください。

だいたいこんな感じに手首が曲がって指が伸びているはずです。

 

  • 写真②

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そこから腕を返しましょう。

すると写真②のように、今度は手首がやや反って、指が曲がり、親指は人指し指の側面にくっつくはずです。

 

 

  • 写真③

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写真②の状態から親指を横にピンと伸ばしてみましょう。

親指の付け根や前腕が緊張するのが分かると思います。

これは写真②の自然な状態(脱力した状態)から、親指だけ力を使って横に伸ばしています。

つまり、不自然な状態だということです。

まずこれを覚えておいてください。

 

 

左手の自然なフォーム
  • 写真④

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では写真②の手の形を作り、そこにギターのネックを入れてください。

すると写真④のようになります。

ここで重要なのはギターを握りにいくのではなく、先に写真②の脱力した形を作り、そこにネックを入れると考えることです(実際は一瞬手を開かないといけませんが)。

そうすることで、完全に脱力した状態でネックを持つことができます。

「ネックを握りにいく」「弦を押さえにいく」と考えると何も弾いていない状態から力みが生じます。

 

写真④ですが、僕は手が大きいので親指が指板に大幅に出てきますが、全く同じにならなくて大丈夫です。

ただこのとき、親指をネックに押しつけたり、握ろうと圧をかけるのはNGです。

親指はあくまで写真②のときのようにふわっと閉じているだけです。

 

 

力んだ不自然な親指

写真④が最も脱力してネックを持った状態です。

僕の教室ではこの状態をできるだけキープしたままフィンガリングしていく訓練をしています。

そうすることで怪我や疲労を回避し、また演奏技術向上にもつながります。

しかし、多くのギタリストは力みが生じ、仮に最初は脱力できていてもすぐにフォームが崩れてきます。

今回は親指がテーマなので、親指が力んでいる例についてご説明します。

 

  • 写真⑤ 親指が立っている

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親指が上に向かってピンと立っています。

移動の瞬間、一瞬だけこうなるのならまだOKですが、この状態がずっと続いているのはNGです。

 

  • 写真⑥ 親指がネックに沿って伸びている

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このタイプは結構多いようです。

一見これならネックに沿っているから親指を休ませている、だから脱力していると勘違いしてしまいますが、これもNGです。

そもそもこうなっている時点で親指は力んでいるし、ネックに対する余計な接触が多いので移動の際邪魔になります。

 

  • 写真⑦ 親指が完全に離れている

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こうすると確かに手の機動力はUPしますが、親指を開く(手を開く)ということはそれだけ力を使っているのでこれもNGです。

 

 

ほんのちょっとのことだけど…

中にはこれを読んで

「ちょっと親指が伸びてるからって何なの?」

「自分は全然疲れないし、弾きたいフレーズも弾ける」

「気にしすぎ、そんなこと気にしてたらギターなんて弾けないよ」

と言う人もいるかもしれません。

確かに、フィンガリングの親指なんて考えたことないけどギターは自由に弾けるという人もいますし、怪我したことがない人もいます。

一方で、こうしたフォームが原因で弾きたいことが弾けない、上達しない、怪我をした……という人も沢山見てきています。

フォームを気にせず弾ける人は、”今”弾ける、怪我をしていない人は”今はまだ”怪我をしていないだけだとも考えられます。

というか実際そうで、30代、40代になって弾けなくなった、怪我を発症して途方に暮れているという人は以前から多数存在し、最近になってようやくYoutubeなどで広く知られるようになってきました。

(余談ですが、僕が「ギタリスト身体論」を出版した2009年はまだそういった情報が表に出る時代ではありませんでした)。

上記のNGフォームをしている人は、”今”大丈夫なうちに改善させるのが賢明な選択だと僕は考えます。

まあそれでもスルーされたら仕方ありませんが。

 

 

「力の流れ」から考える適切な親指

では最後に、「力の流れ」から親指の適切な向きを考えてみましょう。

 

  • 写真⑧

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ギターの弦を押さえるということは、矢印のようにネックを挟む力が必要となります。

aが親指あるいは掌、bが人指し指から小指です。

これらが理論上写真⑧のように拮抗していることで合理的な押弦が可能となります。

では、親指が横を向いている場合力の方向はどうなるのでしょう。

 

  • 写真⑨

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bの力に対し完全にそっぽを向いています。

このとき恐らくbに拮抗させるため、掌からcの力を出しているはずです。

どう考えてもaの力が邪魔だと分かりますよね。

最初に説明した脱力したフォームに直し、aとcの分散した力の流れをcの方向に統一すれば無駄がなくなります。

 

このように、「力の流れ」という概念でフォームを捉えると新たに見えてくるものがあります。

もっと詳しく知りたい方は教室までお越し下さい。

 

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