音楽用語で「コードチェンジ」とは本来コード進行のことを指しますが、ここで言うコードチェンジとはコードからコードにパっと切り替えるという意味です。
一個一個のコードはちゃんと押さえられても、コードチェンジができないと曲が弾けません。
そこで今回は横浜ギター教室でも教えているコードチェンジの練習法を公開します。
なお、本記事ではCとFを例にしていますが、コードそのものは何でも構いません。
例えばCからFに移動するコードチェンジがあったとします。
このとき、CとFはそれぞれちゃんと押さえられるのに、テンポに合わせてC→Fを弾こうとすると、Fにパっと切り替えられない。
こういう人は多いと思います。
また、このときに多いのが、コードチェンジができないから前のコードの最後の拍を切り捨てて早めに移動するケース。
これを推奨している人もいるみたいですが、音楽的にNGです。
コードは必ず各小節の最後まで弾きましょう。
ではなぜ、各コードは押さえられるのにコードチェンジができないのか?
それは、前のコードを押さえたときの力みが残っているからです。
例えば、何もない状態からいきなりCを押さえるとします。
そのとき、<脱力→Cを押さえる>という流れになっています。
ただし、コードを押さえたときにはもう力みが出ています。
そこで、CからFに移動すると、今度は<力み→コードを押さえる>という流れになります。
力んだ状態から次のコードを押さえようとするから上手くできないのです。
現時点では<脱力→C(成功:しかし力んでいる)→F(不成功)>という流れになっています。
これを改善するためには二つの方法があります。
Cを力まずに押さえる
Cで力んでもFに移動する前に一旦脱力する
F単体なら押さえることができるということは、言い換えれば、脱力したところからスタートさえすればFが押さえられるということです。
なら、Cを押さえた後に脱力ができていればC→Fというコードチェンジも難なく押さえられるはずです。
もちろんこれはCとFだけでなく、全てのコードに言えることです。
これに関しては文章での説明が難しいので省略。
力の出し方、腕の使い方、指先からの力の伝達、押弦の角度などなどいろんな要素があります。
知りたい人は教室に来て下さい。
まずCを押さえます。
多くの人はそのままFに行こうとしますよね?
その前に一旦コードを押さえた左手を脱力します。
脱力すると手がふわ~っと浮いていきます。
十分手の力が抜けたと思ったらそこからFに移動しましょう。
おそらく楽にFがつくれたと思います。
もちろんこれではテンポに間に合いませんが、最初はそこを無視して必ずコードとコードの間に脱力を挟みましょう。
慣れてくれば一瞬で脱力できるようになります。
ただ、最初は必ずたっぷりと時間をかけて脱力しきってください。
ではもうひとつ、さらにコードチェンジを精密にする方法をお教えします。
Cを押さえ、脱力して手を浮かせます。
そこから空中でFの形をつくります。
ここでポイントは、空中で完全にFの形をつくってから一気にポンと押さえるということです。
Fを押さえるのに指を一本ずつ押さえていく人がいますが、それをすると時間がかかってしまいます。
また、一度押さえたけどちゃんと押さえ切れていなくてまた押さえ直すこともあります。
それも音楽的にはNG。
それらを回避するために、空中でFの形を先に作ります。
ここもたっぷり時間をかけて構いません。
Fの形が完成したら、判子を押すようにポンっと押さえましょう。
このように、<脱力→空中でコードを作る→押さえる>という流れを練習すると、コードチェンジがスムーズになっていきます。
忍耐力の要る練習ですが、ぜひ試してみて下さい。