僕の世代はよく「嫌いなことでも将来役に立つからやっておきなさい」と強制されてきました。
一方、最近では「嫌いなことをやっても何の役にも立たないから好きなことをやるべき」といった意見を多く耳にするようになった気がします。
これから何をやろうかと迷っている人にとっては、どっちを信用すればいいのか悩むと思います。
ここで「嫌いなこと」を分解してみるとこの問題はすっきりと見えてきます。
個人的に、「嫌いなこと」には二種類あると考えます。
それは、
1、それ自体が嫌い
2、好きなことの中の嫌いなこと
の二つです。
1は例えばスポーツが嫌いだとか、勉強が嫌いといったような、これ全体が嫌いというパターンです。
一方2は、スポーツは好きだけどただ走ってるだけの競技は嫌いだとか、音楽は好きだけどクラシックは嫌いといった、全体の中の一部が嫌いというパターンです。
自分の中の「嫌いなこと」がもし1だったとしたら、それはやらない方が賢明です。
一方、2であればやっておくべきでしょう。
こう考えると、上記で挙げた矛盾するアドヴァイスもすっきり見えてきます。
昔の人がいう「嫌いなことでもやっておくとためになる」というのは2の「好きなことの中の嫌いなこと」を指しています。
一方最近の「嫌いなことなんかやっても意味ない」というのは1の「それ自体が嫌い」を指しているのでしょう。
だから、スポーツが嫌いな人はスポーツをやらなくていいけど、音楽が好きならその中で嫌いなジャンルがあっても聴いておくといいよ、ということです。
まずは全体を見て好き嫌いを判別し、そこで嫌いなものは切り捨てて結構です。
しかし好きなことがはっきりしたときは、その中にある嫌いなもの(苦手なもの)にも取り組んでみましょう。
経験上言えることは、好きなことの中の嫌いなことは、いずれ必ず好きになれる日がきます。
一方、嫌いなことはどれだけ真摯に向き合って好きになる努力をしても、最終的に嫌いのままだったり、はじめる前よりもっと嫌いになっていることが多いです。