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アドリブの正しい習得法 最終的な安定を目指すのではなく、安定から入って不安定を目指す


八幡謙介ギター教室in横浜

アドリブについて、ここ最近考えがまとまってきました。

まず、先日書いたように、安定的にアドリブを生産できることを目指すのは間違いです。

10年もやってれば安定には何もないということがよくわかります。

 

僕が教室でアドリブを教えるときは、まず安定から入ります。

最初の最初はそれで構いません。

具体的には、「1つのフレーズを使い続けなさい」と教えています。

こうすることにより、アドリブへの入り口が広くなります。

そして、そのフレーズがいつでも出せるようになったら、今度はそれを崩していきます。

ここから「不安定」の始まりで、この先にはもう「安定」はありません。

ここが日本人が苦手なところです。

せっかく積み上げた「安定」を自らの意志で崩す……我々日本人が最も苦手とするメンタリティです。

しかし、これを克服しなければアドリブは近い将来絶対に頭打ちになってしまいます。

「安定」を崩すことにどうにか慣れてきたら、今度はもっと極端に崩したり、自分を裏切りながら弾いていきます。

この先はずっと不安定であり、ちょっとでも安定してきたらそれをまた壊して不安定にもっていきます。

こうすることにより、自分にないものを引き出しながらアドリブを行うことができます。

とにかく、「不安定」→「安定」を目指すのではなく、「安定」から入り「不安定」をずっと追求していくのが正しいアドリブの学び方であり、実践法だと僕は考えます。

 

「安定」や「完成」、あるいは一旦完成した作品のブラッシュアップといった作業が好きな方は、恐らくアドリブはやらない方がいいかと思います。

逆に、完成した(しかけている)何かを壊すのが好きな方は、ぜひアドリブを追求してみてほしいです。