何かを始めてそれを継続しようとするとき、モチベーションが大事だと言われます。
ただ、モチベーションが有効なのは短期~中期までで、長期、超長期となってくるとほとんど意味がないどころか、逆に足を引っ張ってくるという現象が起こります。
それらについて自分の体験も踏まえて考えてみたいと思います。
まずは短期や長期がどれぐらいの期間を表すのか。
個人的には、
5年未満=短期
5年~10年未満=中期
10年~20年未満=長期
20年以上=超長期
と捉えています。
内容によって多少変動するとは思いますが。
2024年現在の自分の例では、
超長期
ギター 30年
読書 30年(ブランクあり)
ギターレッスン 20年
長期
ブログ 13~4年(はてなブログ以前から数えて)
教則本執筆 13年(終了)
音楽活動 14年(中断)
中期
アニメレビュー 8年
とある習い事 7~8年(終了)
小説執筆 実質7~8年(断筆期間を入れると12年)
短期
J-POP作曲 3年(停止)
ピアノ 2年(停止)
パーカッション 1年程度(停止)
tiktok動画作成 数ヶ月(停止)
語学学習 数ヶ月~2年程度(停止)
と、だいたいこんな感じです。
そして改めて考えてみると、短期しか継続できなかったものは全てはっきりしたモチベーションや、行うことのメリットが存在します。
それが長期~超長期にいくにつれてぼんやりしていきます。
ではなぜ一般的には重要視されている継続のためのモチベーションが、長期継続には向かなくなるのでしょうか?
単純な話です。
何かを長期継続していれば、本人、対象、環境など全てが変化するからです。
だから始める動機や初期衝動が明確であればあるほどその変化についていけません。
場合によっては動機そのものが反転することもあります。
例えばギターや音楽が好きで音楽活動をはじめたとしても、それが長期になっていくと必ずどこかで一度嫌いになる時期が訪れます。
そうなるとモチベーション頼みではもう継続できなくなってしまいます。
短期だと好きではじめたことをまだ嫌いになるほど続けていないのでこういった現象は起こりにくいといえるでしょう。
ではなぜ世の中はモチベーションモチベーションとはやしたてるのか?
これも単純で、ビジネスに有効だからです。
モチベーションを上げることで消費者に衝動的に商品を購入させたり、スクールなどに入会させたり、投資に出資させたり、あれやこれやとお金を使わせることができます。
そして、売ってしまえば、入会させればこっちのもの、本人が努力して継続すればそれはそれでよし、すぐに厭きてきたら「そんなあなたにはこちらがおすすめ!」とまた違う角度からモチベーションを上げてまたお金を巻き上げる……
さらにはモチベーションそのものを扱うビジネスもありますよね。
そうしたモチベーションをビジネスとしている人や組織は、モチベーション頼みの人たちがいかに衝動的で短絡的かを熟知しているのでしょう。
モチベーション信仰から抜けられない人は彼らに搾取されているだけなのです。
モチベーションなどという、長期的に見たら必ず変化したり反転したりするものに踊らされていると、貴重な人生の時間や一生懸命貯めた財産を無駄にしてしまいます。
では長期~超長期を視野に入れて何かを継続するためにはどうすればいいのでしょう?
まず、モチベーションを上げないことです。
そして、その状態で動けるように訓練しましょう。
楽しいからやるという人は、楽しくなくなればやらなくなります。
じゃあその「楽しい」を行動の動機にしなければ、将来的に楽しくなくなっても継続できます。
といっても「楽しい」という気持ちそのものを消す必要はありません。
それらと行動を結びつけなければいいのです。
<楽しいからギターを練習する>のではなく、<ギターを練習する>。
そうやってモチベーションなしで行動できるようになると、気が付いたら3年、5年、10年と経ち、周りがほとんど辞めて自分だけが残っていたという状況になっていきます。
他人や社会は何かというと行動に理由を求めてきます。
「なんでそれやってるの?」
「何か目指してるの?」
「どうやってモチベーション上げてるの?」
「どういうところが楽しくてやってるの?」
などなど。
そして、それに答えられないと怪訝な顔をされたり、変な人のように扱ってきます。
そうしていつしか理由がないと行動してはいけないと思うようになり、行動に理由付けをするようになっていきます。
そうして対外的なポーズとして貼り付けたモチベーションがすぐに効かなくなるのは当然でしょう。
行動に理由なんぞいりません。
突然毎日走り出してもいいし、ギターをはじめてもいいし、語学を勉強しはじめてもいいんです。
そうやって理由が分からない、モチベーションすらない状態で始めたことの方が長く続くことが多いと思います。