特に何のスキルもない人が、スキルや経験、センスのある人に勝てる方法はあるのか?
僕は基本、こういったチート的な考えには嫌悪を感じ一切考えないし相手にしませんが、実はひとつだけそういった方法があります。
それは……「めんどくさい」を率先してやることです。
特に何かを習得する初期段階では、ライバルに勝つためにかなり有効な手段だと言えます。
例えば、情報の収集や仕事内容のチェック、記録などを人より多くやってみる。
人が資料3つぐらいで検討しているとしたら5つぐらいは集める、人が一回しかチェックしないのなら自分はダブルチェックする、普通記録しないようなことを記録しておく……。
普通にこれができればだいたいどんな仕事でも信頼を得られますし、これだけでスキルアップにつながります。
また、何かを長年やっていると分かりますが、「めんどくさい」に耐えられないと絶対に越えられないハードルというものが存在します。
例えばギターの場合はフォームチェックがそれにあたります。
エレキギターにおいては、そもそもフォームなんていちいち考えなくてもある程度までは弾けます。
しかし、ある程度から先に行こうと思うとフォームを正す必要があります。
ある程度弾けるようになってからのフォーム矯正は地獄のようなめんどくささを伴うので、挫折する人もかなり多いのが現状です。
そのめんどくさいことを最初からきちんとやっておくと、アリとキリギリスのように必ずどこかで逆転することができます。
ちなみに本を書くことは「めんどくさい」の極みです。
およそ世の中にこれほどめんどくさい作業があるのかというほど、本当にうんざりするぐらいめんどくさいです。
ただ、その「めんどくさい」に耐えきったら内容はともかく本なんていくらでも書けます。
本が書きたいけど書けないという人の8割9割は「めんどくさい」に耐えきれないからではないでしょうか。
イラストや彫刻などもたぶん同じでしょう。
ちなみに、めんどくさいことはめんどくさいと思いながら嫌々やっていてOKです。
めんどくさいことを楽しくやれとか、そこにやりがいを見つける必要は全くありません。
「あーめんどくせぇ……なんで自分がこんなことを…」とぼやきながらやるべきことをやっていけばそれで十分です。
めんどくさいことというのは、だいたいやること自体に意義があるので、姿勢が問われないことが多いです。
例えば本の校正は誤字脱字を潰せればそれでOKです。
ぼやきながらやってもウキウキ楽しくやっても結果は同じでしょう。
いや、ウキウキやった方が誤字を見逃しやすいかもしれません。
蛇足ですが、本当に無意味なめんどくさいことはやる必要はありません。
めんどくさいけど確実にやった方がいいということだけ我慢してやりましょう。
あと、集団の中で率先してめんどくさいことをやろうとすると、そういう人だと認識され、どんどんめんどくさいことを押しつけられるようになるので、めんどくさいことをやるのはできるだけ自分の世界の中だけにしておきましょう。
自分にはスキルがないとか才能がないとかぼやく前に、まず誰もが敬遠するようなめんどくさいことをきっちりやってみましょう。
1年もしたら何かが変わっているはずです。
スキルもないくせにめんどくさいことはしたくないという人は、その分野ではもうダメでしょうね…
そういう人は「この分野ならめんどくさいことにも耐えられる」という別のジャンルを探してみましょう。