今回から定番のギターやギターメーカーをひとつひとつご紹介していくこととします。
とその前に説明しておかなければならないことがあります。
それは、ギター業界の慣習についてです。
知っておくと便利な情報なので、できればお読みください。
簡単にご説明します。
ギターについて調べていて、こんな疑問を持ったことはありませんか?
「なんで違う会社から同じギターが販売されてるの?」
例えば以下のギターを見てください。
FENDER ( フェンダー ) / Player Stratocaster PF 3TS
FUJIGEN ( フジゲン ) / NST10RAL-3TS/02 PLAYTECH ( プレイテック ) / ST250 Maple Sonic Blue エレキギター
いずれもメーカーは違いますが、どう見ても同じギターですよね?
オリジナルは一番上、フェンダー社のものです。
下二つはどう見ても模倣品、パクリ商品ですが、実はギター業界ではなぜかこれが許されています。
さすがに「ストラトキャスター」という名前を使うことはできないようですが。
他にも、レスポールやテレキャスターもオリジナルと他社の模倣品が堂々と存在します。
テレキャスターの場合。
FENDER ( フェンダー ) / Player Tele MN TPL エレキギター FERNANDES ( フェルナンデス ) / TEJ Deluxe 2S GRECO ( グレコ ) / WST-STD AWH M
ではオリジナル以外の会社から販売されているギターは全て海賊版で違法コピー品かというと、そうではありません。
どうやら過去に本家ギターメーカーとコピーメーカーで裁判をしたようですが、「形や素材を真似ることは違法にはならない」という判決が出たようです。
例えるなら、デニム生地を使ったパンツを開発したのはリーバイス社ですが、他者が同じようにデニム生地のパンツを作っても違法にはならないというのと同じでしょう。
なので様々なギターメーカーが堂々と同じようなギターを製造しているというわけです。
また、それぞれのメーカーもただ単にパクっているわけではなく、独自の哲学を持って製造しているので、馬鹿にしたり軽蔑する必要もありません。
価格、サウンドなどを吟味した上でオリジナルを使うもよし、コピー品にするもよし、そこはユーザーの自由です。
また、フェンダー以外のストラト(タイプ)を使っているから馬鹿にされるという風潮もギターの世界には全くありません。
例えばストラトが欲しいと思い、あれこれ吟味して最終的にフェンダー以外のものを買ったとします。
それ自体は個人の自由です。
フェンダーより他社のストラト(正確にはストラトタイプ)の方が質がいいと感じるのも人それぞれで問題ありません。
ただし、フェンダーのオリジナルストラトがあったから他社のストラトが存在し得るという事実は忘れないようにしましょう。
ときどきギター関係者でフェンダーやギブソンをクソ味噌にけなす人がいますが、他社のストラトやレスポールがどれだけ良質でも、所詮は模造品です。
オリジナルへのリスペクトは忘れないようにしたいものです。