先日Cambridge Audioのスピーカーを購入し、
とりあえずテンモニを勇退させました。
とはいえ、これはこれでいいスピーカーなのでまたスペースができたら使うつもりでした。
しかし、Cambridge Audioのエージングが進み、あれこれ聴いているうちに虜になり、もはやテンモニに戻れない耳になってしまったことを実感。
いや、そんなはずはない!と面倒を押して再度テンモニをセットして聴いてみることに。
改めてテンモニを聴いてみると、圧倒的にローが不足していると感じました。
あと、やっぱ分離も良すぎてリスニングには辛い。
解像度もいいのはいいんですが、意外と再現できていない音もあるということが再確認できました。
なるほど、今のミュージシャンがあまりテンモニを使わない理由もこれではっきりしました。
ということは、ドナドナの準備です。
腐ってもテンモニ、売り手はすぐに見つかりました。
これでぎりぎりCambridge Audio購入費用も回収でき、今回もほぼ0円で機材入れ替えとなりました。
そのつもりは全くなかったので、たなぼたでした。
いいものを買っておけばいい値段で売れるので、結果的に得するってことが改めてわかりました。
そういえばテンモニ何年使ったかなーとブログを遡ってみると、3年ほど使っていました。
これが最初の記事。
結局ミックス的なことはほとんどしていませんが、こいつで音について相当勉強させてもらいました。
エンジニア的な耳を鍛えるには一度は通っておくスピーカーだと思います。
これで基準を作って、そこから自分の好みに進んでいけばいいかと。
僕もテンモニ使ってなかったらCambridge Audioの凄さが分からなかったかもしれません。
さて、3年使ってみて最後のテンモニ総評価をしておきたいとおもいます。
世界標準の音
あらゆる音楽に対する基準ができる
分離、定位が抜群
ジャズのリスニングにいい(条件付き)
ライブ音源・映像のリスニングに最適
<弱点>
2000年代以降の音楽に向かない(特に10年代以降)
ローが弱い
音源によっては解像度が低くなる
分離のよさに疲れる(音楽的に楽しめない)
ニアフィールドに向かない(ある程度部屋のスペースが必要)
改めて考えると、テンモニは音楽を学ぶ過程のどこか(比較的初期の段階)で音の基準を知るために一定期間使うのがいいのではないかと思えます。
ずっとテンモニでやっていくのはもはや時代に合わないし、かといってこの音を知らないというのももったいない。
一度世界標準のテンモニを通って、そこから「もっとローが欲しい」とか、「カリッカリの解像度が欲しい」と欲が出てきたら買い換え時なのかなという気がしました。
今でもテンモニでジャズを聴くのはおすすめですが、一点だけ不満なのは、分離が良すぎて音楽的に楽しめないことです。
ひとつの楽器に集中するのはいいんですが、全体をゆったり聴いて楽しみたいときにはやはりテンモニは疲れます。
あと、ベースの輪郭もぼやけますね。
管やギターだけをじっくり聴いて研究したいならテンモニでもいいと思います。
歌はあんまりテンモニで聴かなかったので忘れましたが、聴かないということは面白くなかったんでしょう。
今までいろんなスピーカーを使ってきましたが、テンモニほど自分の音の認識に影響を与えてくれたスピーカーはありません。
例えるなら、良質な音楽の歴史書を読んだような感じです。
3年がっつり使ってみて、音に対する認識が確実に変わり、レベルアップしました。
ありがとう、テンモニ。
さようならテンモニ。