今期アニメ「群青のマグメル」を観ていたらOPが良くて、誰だろうと思ったら風男塾という男装アイドルグループでした。
元々は中野腐女シスターズから派生した腐男塾というグループが風男塾と改名したようですが、詳しくは知りません。
曲はこちら。
発売は6月19日。
作詞・作曲・編曲はQ-MHz(きゅーめがへるつ)というプロデュースチームだそうな。
メンツを観てみると、UNISON SQUARE GARDENの田淵氏がいてなんか腑に落ちました。
何がJ-POPの教科書かというと、展開の妙ですかね。
頭から第一サビの終わりまで書き出すとこうなっています。
サビ3 3小節
イントロ 6小節
Aメロ 6小節
A’メロ 6小節
フック 4小節
Bメロ 9小節
サビ1 8小節
サビ2 8小節
サビ3 3小節
サビまでが概ね奇数の小節数になっていて、不安定感や冒険感が演出されており、サビに入ったところで偶数に落ち着き、安定感と前進していく強さを打ち出しています。
また、各セクションが簡潔にまとめられていて繰り返しが少ないので退屈に感じません。
こうしたギミックをヒャダイン的なトリックで行うのではなく、あくまで正攻法で打ち出しているところが好印象です。
ちなみに、繰り返しを避ける作曲法は槇原敬之氏が(僕の中では)有名です。
もうひとつ僕が感心したのが、曲冒頭でのサビの使い方。
この曲はサビが3パートに別れているのですが、普通サビから始まる曲はサビの頭を使います。
ではなぜこの曲はそうしなかったのかというと、サビはサビで新鮮さをキープしたかったのでしょう。
頭からサビを出すというのは王道とはいえ、ある意味飛び道具的な危険性をはらんでいます。
最初こそキャッチーなものの、その後Aメロ、Bメロと積み上げていき、改めてサビが出てきたときにはもうサビの新鮮さが失われています。
しかし、本曲のように冒頭でサビの後半部分だけを使うことで頭からリスナーをキャッチでき、しかも本サビの新鮮さも同時に保つことができます。
さらに、頭からサビまで聴いていき、1コーラスの最後に冒頭で出てきたサビ3を聴いたとき、物語が完結したような強い終始感、安堵感を感じられます。
この曲のテーマとも合致した見事なアレンジです。
個人的にこの曲にはかなりの作曲技巧が詰まっていると思うのですが、皆さんはどう感じるでしょうか?
プロの人は一度聴いたら「へ~」と感心すると思うのですが……。
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余談ですが、サビの途中からはじまる曲にはABBAの「Dancing Queen」があります。