昔から、「型にはめたら個性がなくなる」ということをよく言われてきました。
僕自身は半信半疑だったのでそこまで型にはまることを拒んだ記憶はありません。
何にせよ上達するんならなんでもいいと思っていたので。
そうして教える立場になって関西、横浜でギター教室を構え十数年経ち、自分のレッスンにいくつかの型ができてきました。
その型を教えていて改めてわかったことは、型にはめても個性は絶対になくならないということです。
例えばジャズでは、フレーズを沢山使わずに、ひとつのフレーズを崩しながら使い続けるというアプローチを教えています。
これは僕のジャズの型です。
かなり沢山の生徒さんにこれを教えてきましたが、見事なくらい全ての生徒さんが全く違うとらえ方をし、全く違うソロになります。
これには教えているこちらがいつもびっくりさせられます。
ほんの少し型にはめようとしただけで消える個性など存在しないのでしょう。
とはいえ、その「個性」はそのままではまだ荒く、形になっていません。
だから型にはめて余計な部分を削っていく必要があります。
もちろんここで削る「個性」とは、エゴや承認欲求などといったいらない部分です。
それらをそぎ落としていくことで、本当の個性がより際だってき、音楽なら音楽に通用するものとなってきます。
誰かに習ったら個性がなくなるのではないか、自分を型にはめないほうがいいのではないかと悩んでいる人はご心配なく。
個性を消すことなど不可能なので、どんどんいろんな人に習いましょう。
そうすることで個性は洗練され、強くなっていきます。