八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

ギター講師八幡謙介がギターや音楽について綴るブログ。

Fender USAを買ったことでギターの細かな調整ができるようになった


八幡謙介ギター教室in横浜

最近横浜ギター教室の生徒さんからギターの鑑定というか、今自分のギターがどういう状態なのか、音はいいのか悪いのか、直すところはあるのかなど教えてくださいという依頼が増えてきました。

で、弾いてみてあーだこーだと説明し、その場でいじれるところはいじるのですが、そうすると「どうやったらそんな風にギターをいじれるようになるんですか?」と訊かれて、ちょっと考え込んでしまいました。

で、あれこれ考えてみると、たぶんFender USAを買ったことで基準ができたんじゃないかと思います。

 

僕のはAmerican Vintageのストラトなんですが、

k-yahata.hatenablog.com

このギターはとにかく反応が馬鹿正直なので、ハンガーのネジやピックアップの高さなどをちょっとでもいじると音がはっきりと変化します。

Fender USAは面白い楽器で、あれこれいじっても音は悪くはなりません。

ただ、好みの音になっていくかそうじゃない音になっていくかの違いがあるだけです。

そうしてあれこれいじりながら好みの音を探っていくうちに、だんだんギターというものがわかってきました。

 

ちょっと強引な言い方をすれば、Fender USAを一本持って使い倒してみればエレキギターの調整はできるようになるのではないかと思います。

とはいえ僕もFender USAを全ていじりたおしたわけではないので。

低価格帯のものはやっぱりそれなりだと思います(昔弾いてみた一番安いUSAは酷かった…)。

私見ですが、アメリカ人のモノ作りは「俺らいいもん作ったから、あとはあんたで調整して自分好みにしな!」という感じです。

Martinからもそれがうかがえます。

ギターじゃないですが、Redwingのブーツとかもそうですね。

新品が一番ダサくて、自分なりに使い込んでいく過程で本当の味が出てくるというモノです。

 

だからアメリカ人の作ったいいモノを使うと、自分の審美眼やメンテ技術なども同時に鍛えらえます(じゃないと使いこなせない)。

一方、日本人のモノ作りは親切・丁寧が信条です。

最初から誰にでも扱いやすいように設計されています。

だから万人受けするんですが、ユーザーがそれに甘えてしまい、そのモノを通して自分を鍛える機会を失ってしまいます。

また、ギターに関して言うと、メーカーが定めたストライクゾーンを外れると途端に音が悪くなってしまうのも日本製の特徴でしょう。

アメリカ製(のいいモノ)はそのストライクゾーンが広いので、ユーザーも自分で工夫するようになり、その結果マテリアルに詳しくなる……というのが僕の持論です。

 

Fender USAはアンチも多いようですが、僕は上記の理由でオススメです。

もちろん個体差、価格による品質の違いはあると思いますが。