八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

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ジャズを学ぶ際、記号の処理能力で自分のレベルを測るのはやめたほうがいい


八幡謙介ギター教室in横浜

ジャズには、どの曲が弾けるようになったら脱初心者か、どれが弾けるようになったら上級者かという考え方があります。 

この考え方はやめておいた方がいいです。

なぜならこれは、記号の処理能力=ジャズの演奏レベルという考え方だからです。

そのまま素直に捉えると、ブルースを弾けたら初級、枯葉や酒バラ、All The Thingsなどで中級、Giant StepsやMoment's Noticeが弾けたら上級といったことになります。

しかし、本当にそうなのでしょうか?

そもそも、ここで言う「弾ける」とは何でしょう?

ロストせずに最後まで弾けること?

それともかっこいいフレーズをバンバン出すこと?

何回客に「Yeah!」と言われたか?

インタープレイできていたか?

……

当然、「弾ける」にもいろんなレベルがあります。

Giant Stepsをロストせず最後まで綺麗に弾ける人もいますが、それがいい演奏かどうかはまた別の話ですし、誰でも「弾ける」ブルース曲で誰にもできないような演奏をする人もいます。

では前者が上級で後者が初級でしょうか?

 

ジャズは記号の処理を競う競技ではありません、音楽です。

また、楽曲は自分の記号処理能力を競うための課題ではありません、芸術作品です。

ですから、ジャズのこの曲が弾けたら上級、これは初級といった考え方は全くナンセンスだし、この考え方自体が芸術を理解していない証拠です。

ジャズを学ぶ人は、楽曲を記号の複雑さで測るのはやめ、まずはその曲をじっくりと味わいましょう。

あるいは、自分の心にしみてくる楽曲を探しましょう。

そうして、一番いいと思える曲を練習してみるか、あるいはまだ難しければ目標にしましょう。

そこに初級も上級もありません。