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ジャズのアドリブで重要なのはコーラス終わり


八幡謙介ギター教室in横浜

拙著「アドリブの入り口」(下記参照)でも書いていますが、

アドリブで重要なのはコーラス終わりの最後の小節です。

ここできちんと「次回予告」ができるかどうかでアドリブにおける会話が成立するかどうかが変わってきます。

例えば、「次のコーラスはこのフレーズで攻めよう!」と決めたとします。

そのとき、多くの人は本当にコーラスの頭からそのフレーズを出してきます。

実はそれはNGなんです。

なぜかというと、そのフレーズが出てくることが分かっているのは自分だけで、他の人は後追いになるからです。

例えばドラムの立場で考えてみましょう。

前のコーラスをハイハットで刻んでいたとします。

さて、そのコーラスが終わりに近づき、そろそろライドに行こうか、もう少しハイハットで継続しようかと考えつつ最後の小節に来ました。

そこでソロイストから何も示唆がなかったので、まだハイハットで継続することにしました。

しかし、コーラスが変わった途端いきなり新しいフレーズが出てき、しかもそれがさっきまでよりも勢いがあったので、慌ててライドに切り替えました。

どうせなら頭からきっちり切り換えたかったのに、示唆がないから出遅れてしまい、コーラス頭が乱れてしまいました。

これでは自分が反応の鈍い優柔不断なドラマーであるかのような印象を受けてしまいかねません。

「もうこの人のバックで叩きたくないな」…そう思うドラマーがいてもおかしくないでしょう。

一方で、コーラスの最後の小節で次のコーラスの示唆をきっちりと行えばどうなるでしょう?

ドラマーは次のコーラスの匂いをかぎ取ってすかさず楽器を選ぶことができます。

そうしてコーラス頭でバシっと合わせれば音楽も締まるし、自分の株も上がります。

もちろん、ドラムだけでなく全パートに同じ事がいえます。

 

アドリブを練習している人は、スケールやコードトーンなど「自分が何を弾くか」ばかり考える傾向がありますが、そんなことはいつでも練習できるので、まず最初はどうしたら会話になるのか、アンサンブルがよくなるにはどういう点に気をつければいいかを考えましょう。

といっても、なかなかそうしたレッスンを行える人は少ないようですが……。

少なくとも僕の横浜ギター教室では、このコーラス終わりの使い方は初期段階で教えています。