先日フリマにて入手したYAMAHA NS-10M(テンモニ)とアンプDENON PMA-390Ⅲであれこれと音源を聴いています。
テンモニは何度もスタジオで聴いていますが、もっとギラギラした音だったはず……ということはPMA-390で音が柔らかくなっているのでしょう。
その辺の補正も込みでご理解ください。
まず、初めての自宅テンモニで「解像度」という言葉の意味が変わりました。
以前僕は「解像度」を「音の綺麗さ」だと勘違いしていたのですが、そうではなく、「原音の掘り起こし」のことなんだと改めて理解しなおしました。
例えるなら、埃をかぶった美術品をどれだけ元の状態に戻せるか。
中には埃をかぶっている方が美しく見える場合もありますし、それを取り除いた方が美しいこともあります。
いずれにせよ、テンモニは音源から余計なものを綺麗にはぎ取ってくれるのでいろんな情報が浮き上がってきて面白いです。
いちばん驚いたのはリバーブの質感ですね。
同じアルバムや同じ楽曲でも異なるリバーブがかけられていて、その質感がよく見えます。
後は低位。
センターはちょっとわかり辛いのですが(たぶんそれは僕のチューニングが下手なせい)、各楽器の低位が本当によく見えてこれも新発見だらけでした。
以前はYAMAHAのテンモニ後継機と呼ばれていたHS-50Mを使っていたんですが、かなりシビアにチューニングしてもここまで聴こえなかったので、やはり全然違うみたいですね。
手持ちの音源を色々聴いてみたんですが、1980年代~2010年ぐらいまでのものならだいたいいい音します。
ただ、メタルなら90年代後半からちょっときつく感じます。
ヒップホップも2000年代に入るともてあましている感じがします。
2010年以降の音楽はだいたい何聴いてもひどい音にしかなりません。
なぜそうなるかというとテンモニ自体が2001年3月で生産終了したのと、近年はハイレゾがうんたらかんたらだそうで、2000年代から徐々にテンモニを使わないエンジニアが増えてかららしいです。
近年の音源はテンモニ基準でミックスしていないので、テンモニで気持ちよく鳴らないというのは当然でしょう。
ちなみに、テンモニはジャズのリスニングにも向いてると思います。
もちろんJBLには敵わないでしょうが、JBLは高いしでかいし代替品としてテンモニはありだと思います。
各楽器がかなり生々しく鳴っていて長年聴いてきたアルバムを改めてテンモニで聴くとゾクっとします(特にベースとドラムは異常に生々しく聞こえる)。
イマドキの音が好きな人はテンモニは使わない方がいいでしょう。
80~90年代の音楽が好きな人にはどんぴしゃ、そうでなくてもミックス上手くなりたい人は絶対持っておくべきでしょうね。
フリマで探せば結構安くで出ているので、手の届かない機材ではないと思います。
僕もびっくりするぐらい安く手に入ったので。