ちょっときわどいトピックですが。
個人的に、ビルダーやリペアマンの話は全部鵜呑みにせず、半分ぐらい聞いておくのがちょうどいいと考えます。
といってもこれは、ビルダー、リペアマンが信用できないという意味ではありません。
ただ単に彼らはプレイヤーと視点が全く違うから話がかみ合わないことが多いというだけです。
ビルダー、リペアマンは得てしてギターをマテリアルとして見ます。
木や金具、塗料などの材質、内装、劣化具合、角度etc。
モノとしてのギターがどうあるべきか、どうあるべきでないかという視点で見ている人が多いかと思われます。
一方で、プレイヤーはギターを感覚的に扱います。
モノとして正しい状態であるかどうかよりも、触れたときの感触や、発音されたときのニュアンスなどで楽器を判断します。
よくある話としては、弦の寿命に対する認識の違いです。
例えばぼくは弦をかなり長く使います。
昔は平気で1年とか使ってましたが、ここ数年は半年程度、さらに2017年後半からは頻繁にメンテをするようになり、1ヶ月で換えたりもするようになりました。
今の感覚でも季節ごとに1回換えれば十分だと思っています。
一方でリペアマンの方は1週間2週間程度しか使っていない弦を見て「弦が死んでる」と言うことがあります。
確かに、彼らからしたら弦というマテリアルはそこで死んでいるのでしょう。
しかしそれでも普通に弾けるし、むしろ1~2週間なら新品弦の過度なキラキラ感がおちついてようやく「これから」の状態になったと感じるプレイヤーも多いと思います。
中にはリペアマンに「弦が死んでる」と言われたのを真に受けて1週間おきに弦を換える人もいるでしょう。
本当に自分が「弦が死んでる」と感じて換えているのなら問題ありませんが、リペアマンの話を真に受けすぎているだけなら一度考え直した方がいいでしょう。
それ以外にも、リペアマンには弦のビビリに対して過剰すぎる人がいます。
ちょっとでもビビっていれば「こんなんじゃ何も弾けない」と言ったり。
でも実際多少ビビっててもアンプに通したら消えるし、ジャズなら弦のビビリが出てるぐらいの方が味があったりします。
ネックがまっすぐで、どこを押さえても弦がビビらずキラキラした綺麗な音が出るようになっても、それがなんか音楽と合わないということも多々あります。
また、弦のビビリに敏感になりすぎて弦高を異常なまでに上げ、ネックの反りに毎日ビクビクして暮らすのも本末転倒です。
ビルダー、リペアマンの話は確かに正しいのだと思います。
しかしそれは、あちら視点で正しいのであって、こちら視点では変わってくることも多々あります。
「ギターのプロが言ってるからそれが正しい」と考えるのは思考停止です。
あくまでこちらの視点を中心にして意見を取り入れる程度にしておくと、結果的に自分にとっての正しいギターのセッティングが見つかるのではないかと思います。