今回はギターのフレットについてお話します。
フレットとは、ギターのネック(細長いところ)にたくさん打ってある銀色の横棒のことです。
これは何のために存在するのかというと、音程を区切るためです。
バイオリンやチェロにはフレットが打ってありませんので、押さえるポイントが1ミリずれたら音程が変わってしまいます。
しかし、ギターはフレット間であればどこを押さえても音程が同じです。
だからギターは他の弦楽器よりもとっつきやすくなっています。
フレットは、ギターを真っ直ぐ立てた状態で上から1フレット、2フレット~と数えていきます。
フレットの数はギターによって異なりますが、21~22フレットが一般的です。
ギターという楽器は、音が弦とフレットでマス目状に区切られていると言えます。
ギターを真っ直ぐ立てた状態で、右から1弦、2弦~、フレットが上から1フレット、2フレット~です。
ですから、「○弦○フレット」と場所を指定することで音が分からなくても演奏することが一応可能です。
ちょっとややこしい話になりますが、フレットには「区切りとしてのフレット」と「押さえるフレット」があります。
区切りとしてのフレットは、銀色のバーのことです。
しかし、実際にギターを弾くときはこのバーは押さえません。
これはあくまで区切りです。
実際に押さえるのはそのバーの上の部分(バーとバーの間)です。
「1フレット」と言うとき、バーそのものではなく、この「押さえる1フレット」を指すことが多いので知っておきましょう。
その場合の(押さえる)1フレットは、ギターを立てた状態で1フレット(バー)より上の範囲のことを言います。
2フレット以降も同じです。
フレット(バー)そのものに話を戻しましょう。
フレットにはいくつかの種類があります。
単純な違いで言うと、バーの高さと幅です。
バーが高いほど弦が押さえやすく感じます。
幅については具体的にどう違うのか、実感としてはわかりません。
今のギターはどちらかというと高めのフレットが主流になっています。
ヴィンテージやヴィンテージを再現したリイシューなどでは低いフレットを搭載している場合もあります。
正直、初心者の方はあまり気にしなくてもいいでしょう。
低いフレットの弾き辛さも最初はたぶん分からないと思います。
フレット(バー)は常に弦と接触してこすれるので、消耗していきます。
消耗が激しいとやがて音程が狂ったりビビリと呼ばれるノイズが出たり、音が詰まって出なくなったりします。
そうなったとき、「摺り合わせ」というフレットの修理を行います。
これはフレットをあえて削って再度均等な高さに仕上げる作業です(僕はリペアマンではないので詳しくは知りません)。
自分でやる人もいますが、本来職人技術なので普通はリペアショップに依頼します。
摺り合わせで対応できない場合はフレット交換をする必要があります。
文字通りフレットを全て新品に交換します。
こっちの方が作業に手間がかかるので値段も高いです。
摺り合わせやフレット交換は、ギターを長く使っていれば必ず行う必要が出てきます。
それをできるだけ先延ばしにするためには、ギターを適切な力で弾き、大切に扱う必要があります。
その辺はギターをはじめてからの問題なのでここでは触れません。
リペアの話が出たので、流れで軽く説明しておきます。
これを読んで「ギターって修理が必要なのか…めんどくさいな」と思った方はご安心ください。
最近のギターは安くても質がいいので、定価1万円のものでも普通に使っていればリペアなしで1年2年は持つと思います(弦交換やアクシデントによる故障は別)。
また、リアルな話ほとんどの人はリペアに出すほど使い込む前に挫折します。
では続けているといずれ最初のギターをリペアに出すかというと、恐らくその前に新しいギターを買うでしょう。
そうなると最初のギターはリペアしないで放置します(最初からいいギターを買っていれば別ですが)。
ということで、ギターをはじめて5年、長くて10年ぐらいは全くリペア経験がないという人がほとんどじゃないでしょうか?
そういえば僕も、ギターをはじめて10年ぐらいリペアしたことがありませんでした。
なので、ギターを弾いてみたいけど「リペアめんどくさいな、お金かかるな」と萎縮している初心者の人は気にせずに始めてみましょう。
リペア云々は「長く続けていればいずれ」というお話です。