プロを目指した練習として、ある種の無茶ぶりを想定したようなものがあります。
初見の練習はその代表のようなものでしょう。
そういったスキルを身につけておくことでどんな無茶な仕事にも対応できる=プロとしてやっていける、と考える人は多いようです。
僕も昔はそう考えていました。
確かに、それはある意味間違いではないのですが、無茶ぶりに堪えられる人が成功するかどうかは微妙です。
結論から言うと、無茶ぶりに堪えられる人は、無茶ぶり要員として扱われるだけで、そこから昇格することはまずないといっていいでしょう。
ちょうど、セ○レが彼女になることがないのと同じです。
人は、都合よく使える人間を大事にはしません。
大事な人間なら最初から都合よく使いません。
だから、無茶ぶりしてくる時点でもう利用されているし、それに応じた時点でアウトなのです。
もちろん、例外中の例外はあるでしょうが。
僕も無茶ぶりに堪える練習をよくしてきた方なので、そういった依頼は全部こなしてきました。
しかし、そこから次につながったというケースはゼロです。
『今回無茶ぶりに応じたから、次はなんらかの見返りがあるだろう』と思って待てど暮らせど何の連絡もありません。
仮にあったとしてもまた同じような無茶ぶりです。
じゃあ、と『前に相手の無茶を聞いたから今度はこっちの無茶ぶりに一回は応じてくれるだろう』と思って依頼してみても、体よく断られます。
まさにセ○レ状態です。
異常なほどスキルが高いのに仕事の質がぜんぜん上がらないミュージシャンは、恐らく無茶ぶり要員としてあちこちからストックされているのでしょう。
苦労してどんな無茶ぶりにも応じるスキルを身につけたのに、結果、こうなってしまっては台無しです。
だから、根本として無茶振りに耐えるスキルを身につけるのはやめときましょう。