以前、ボーンDTM世代について記事を書きました。
音楽活動の初期からDTMに接し、音を波形で見ることに慣れている人は、かなり偏ったタイム感やタイムに対する基準を持っていると思われます。
それを矯正するためには、オフラインでのバンドやユニット活動をするべきですが、そういった活動ができないから(したくないから) DTM中心の音楽活動になっているのでしょう。
そのことについてとやかく言うつもりはありません。
ただし、それならそれで最低限昔の音源をたくさん聞いておくべきだと思います。
ざっくり言えば80年代以前のものです。
昔の音源は、タイムに対する感覚が今と全然違っています。
それこそ「これ、ずれてるんじゃないの?」というような音源もたくさんありますが、そうしたものが名盤と言われていたりもします。
また、昔の音源の方が黒人はより黒人らしく、白人はより白人らしいグルーブで演奏しています。
打ち込みのかっちりとしたタイムや、それに合わせるためのかっちりとした演奏しか知らないのは、あまりにも音楽的な幅が狭いと言わざるを得ません。
また、打ち込みで各ジャンルっぽさを出すために、各パートをどのようにずらせばそれっぽいグルーヴになるかというリサーチとしても昔の音源は最適です。
ジャズなら50年代、ファンクなら60年代、ロックなら60年代から70年代のものは今と全然違います。
そうして80年代以前に流行したアーティストの有名な曲をYouTubeで片っ端から聞いていくと、DTMでしか活動したことがなくても、自分の中の幅が少しずつ広がっていくのではないかと思います。
とはいえ、実際にバンドなりユニットなりを生で行うに越したことはないのですが。