Novelbrightの「ツキミソウ」という楽曲がとあるグループに盗用されたというニュースがありました。
TIKTOKで観て、『あーこれはやってんな…』と思い、そこからふと、以前配信界隈、TIKTOK界隈の”アーティスト”の質について聞いた話を思い出したので書いておきます。
僕の生徒さんが一時期楽曲制作、プロデュースなどで配信者やTiktokerと関わっていました。
僕は最初その話を聞いて、今どきな活動だなー、上手くいくといいなーと思っていたものの、少しするとその生徒さんからうんざりした顔で相談されるようになりました。
細かいことは言えませんが、一言でいうとプロデュースしている相手が「歌が歌えない」んだそうです。
それもプロレベルじゃないとか、心に響かないとかそういう話ではなく、文字通り歌えないんだとか。
音程が一つもあってない、リズムが取れない、歌詞が理解できない、そのくせ当日修正を拒否したり、事前に送ったデモも聴いてないとか……。
僕もさすがに耳を疑いましたが、本当のようです。
しかも、そのレベルの人がうじゃうじゃいて、さらにそれらを”アーティスト”として抱えている事務所もあるとか……
もちろんその事務所もかなり怪しいみたいです。
で、そんな”アーティスト”にファンがたくさんついていて、投げ銭やらなんやらでタママンに住んでいる人もいるとかなんとか。
生徒さんはそんな歌えない”歌手”の歌になっていない何かを、職人的な技術で修正し、なんとか歌えているように仕上げるという作業をしていました。
で、僕からは、
・目先のお金に捕らわれてそういうところとダラダラ付き合っていると、気が付いたらその村の住民になっていて他の(まともな)村で仕事できなくなるから早めに離れた方がいいよ
・修正のスペシャリストになったら、余計に歌えない人を修正する依頼が増えるだけ。それがクリエイターとしての実績にはつながらない。今後は最低限の歌唱力を持たない人の仕事は断るべき。
とアドヴァイスしておきました。
個人的には生徒さんのプライベートには一切立ち入らない主義なので、アドバイスだけして後は放任していましたが、後日配信界隈の仕事はもう受けないことにしたと報告され、安心しました。
その後は順調に仕事をしているそうです。
話を戻すと、今回曲をパクったのがどういうグループかは知りませんが、パクリ具合やその後の対応などを見ると、なんとなく僕が相談された配信界隈の酷い”アーティスト”に似ていて、そりゃそういうことも起こるわなとなんか納得しました。
たぶん著作権やサンプリングについてのルールなどもほとんど知らなかったのでしょう。
また、周りにもそれについて指摘できる人がいなかったのでしょう。
プロとアマチュアの垣根がなくなったと言われて久しいですが、今後恐らくこういう出来事が多発し、真剣に音楽をやるならプロとして大人の監督の下活動した方が安全、といった考え方が再認識されるような気がします。
今回パクったアーティストも、謝罪文を読むと本気でOKだと思っていた節がありますからねえ……。
また、アマチュアや個人活動にこだわる人は今後は権利の勉強は必須でしょうね。
僕も今後プロ志望の生徒さんが来たらそこらへんもしっかり指導していきたいと改めて考えさせられました。