何かを習っていると、人は突然魔が差すことがあります。
具体的に言うと、「自分はもう全部分かった」と勘違いすることです。
例えば、ある課題をいい感じに進めていて、このまま続けていけばしっかり実力がつくと確信して安心していたら、あるとき突然「もう全部分かったのでやめます」という人。
こちらからすればどう考えても分かってないし、このまま続けていればちゃんと分かるようになるのに、なんで今???と思うのですが、やめる人は引き留めないことにしているので了承しています。
ちなみに、そういった生徒さんとの関係性はだいたい良好なことが多いです。
では自分にも魔が差したことがあったかというと……正直思い出せませんでした。
今までいろんな人に習ってきましたが、そういえばなんか分かった気になってやめたことはたぶん一度もありません。
先生が嫌になった、内容に満足できなくなった、引っ越しや移住で通えなくなった、怪我をさせられたといったはっきりとした理由で毎回やめています。
もちろん、ちょっとやって分かった気になっていた時期はありました。
ただ、どこかで分かった気になっている自分も疑っていたのでしょう。
だから僕にはぎりぎり魔が差さなかったようです。
今考えると別にやらなくてもいい習い事、習う必要のない先生の方が多かった気がしますが、分かった気になってやめたことがないのは良い経験だったのかなと思います。
一度それをやると恐らくクセになり、何をやってもすぐに分かった気になってやめ、最後には全部分かった気になってその実何もできない自分が残るのでしょう。
そう考えるとゾっとします。
ただ、自分のことなので魔が差しているだけなのか、本当にやめたい(やめるべき)のかは自分ではなかなか分かりません。
本当に嫌なのに我慢して習い続け、結果その対象が嫌いになってしまっては意味がありません。
では「魔が差す」の特徴とは……?
分かったらまた書きます。