本ブログでコードヴォイシングについて何度も書いているので、そちらについてはぼんやりと理解している人も多いかと思います。
今回は一歩進んで転回形のお話をしたいと思います。
「転回形」とは、コードの積み方を変えていくことです。
例えば<ドミソ>を<ソドミ>とするのが「転回する」ということです。
こうしたコードの転回系を使えるようになると、ヴォイシングの幅が広がります。
ただし転回形を使うためには前提となる知識が必要となります。
本ブログではそれらをできるだけ簡略化し、ギターの指板ベースで理解できるように説明していきます。
きちんとした理論を学びたい人は専門書やサイトを当たって下さい。
なお、ここで説明する内容は全て横浜ギター教室でも教えています。
コードを転回する(積み方を変える)前に、まずはコードそのものを小さくする必要があります。
これは簡単です。
①普通にコードを押さえる(オープンコード以外)
②1~3弦のみ残して後は弾かない
こうすることでコードの中の重たい音がなくなり、アンサンブルの中で邪魔にならなくなります。
これだけでも十分なのですが、時々ヴォーカルや他のパートとの兼ね合いでなんか合わないというケースがあります。
そこで使うのが転回形です。
転回形を作る際、以下の知識が必要になります。
・今使っているコード名
・そのコードの構成音
・ギターの指板上の音の分布
例えばCというコードだと、<ドミソ>という音を使っている、これを<ミソド>にしたい、ではそれらが指板上のどの位置にあるのか?
……こういった知識を前提とするので、転回形を使うのはやや難しいといえます。
ここでは上記のことが一応分かっているという前提で進みます。
分からなくても指板ベースで進めていくので、たぶんついてこられると思いますが。
コードが決まったら一度コードトーンとその転回形を書き出してみましょう。
コードトーンはアルファベットで理解できたほうがいいでしょう。
例えばCならCEG。
これを転回すると、
・CEG
・EGC
・GCE
となります。
ちなみにCGEとかECGも可能といえば可能ですが、それをすると一気にややこしくなるので、ここでは順番をいっこずつ入れ替えるだけにします。
その方がギターで理解しやすいので。
コードトーンの転回形が判別したら、それをギターの1~3弦で探します。
もちろん他の弦を使うこともできますが、最初は1~3弦に限定した方が分かりやすいです。
Cで試すとこうなります。
点線は原型のコードから省略した音です。
この3つがギターコードとしての代表的なCの転回形といえるでしょう。
まずはここまで覚えてください。
次はこの転回形のヴォイシングを動かしていきます。
続はこちら。