生徒さんが教室を辞める際、だいたい次の二種類に分かれます。
それは、辞めますが言える人と言えない人。
辞めますが言える人は、ちゃんと規定に則って事前に伝えてくださいます。
すると、こちらも気持ちよく最後までレッスンができますし、とてもいい関係性で終われます。
こうしてきちんとした形で辞めて行く人ももちろん沢山おられます。
一方、辞めますが言えない人にはいろんなタイプがあります。
一番最悪なのは、何の連絡もなく来なくなる人。
近年かなり減りましたが、0ではありません。
こういう人はメールをしても返信がなく、時節柄心配になってしまいますが、結局連絡がないのでどうしようもなく、こちらからレッスンの修了を告げて終わります。
もちろん、それにも返信はありません。
また、辞めますは言えるけど規約を勝手に解釈して自分の都合に合わせる人も多いです。
もう最後なので注意したりもしませんが、はっきりいって迷惑だし、よくそんなことができるなと呆れます。
「よくそんなことが」というのは、辞めることそれ自体ではなく、ルール無視による教室への迷惑のことです。
たぶん言っても分からないか、適当な理由ではぐらかされるだけでしょうが。
歳のせいか、そんなことがあると『まあ自分も昔はそうやって迷惑をかけただろうから…』と考えてしまいがちですが、あるとき今まで自分が何かを習っていて、どうやって辞めてきたかをちゃんと回想してみました。
すると、ほとんどの場合ちゃんと規定通りに事前に先生に通達して辞めていたことが分かりました。
思い出を美化しているのではなく、本当にそうしてきました。
なぜならそれが当たり前だと思っていたからです。
一番古い記憶だと、十代後半の頃習っていたピアノ教室で、ちゃんと先生に「こうこうこういう理由で今月で辞めます」と事前に直接告げ、先生に「最初はすぐ辞めると思ってたけどよく続いたね」と褒められた記憶があります。
十代の自分がその辺をきちんとできていたということを思い出せて、嬉しい反面複雑な気分にもなります。
還暦すぎてもまともに連絡すらできない人もいますから…
一回か二回、何も言わずに去った場所がありますが、それはその場で身体的あるいは精神的危害を受けたのが理由です。
それを直接訴えてもまともに取り合ってくれないという構造も知っていたので、何も言わずに辞めました。
それ以外は、何かを辞めるとか、その場を去るというときにちゃんと事前に「辞めるよ」「今度○○に引っ越すからさよならだね」と告げてきました。
僕にとっては当たり前のことだったんですが、ギター教室をはじめてから、これが当たり前じゃないということを知りました。
自分がプロになれたのは、いろんなことをちゃんとした形で辞めて(去って)きたからだというのも、あながち極論でもない気がします。
何かを目指している人は、そういったことも一度考えてみてください。