ずっと気になっていたLarry CarltonとB'zの松本さんの共演作「Take Your Pick」をようやく聴きました。

- アーティスト: Larry Carlton & Tak Matsumoto,松本孝弘,Tak Matsumoto,Larry Carlton
- 出版社/メーカー: バーミリオンレコード
- 発売日: 2010/06/02
- メディア: CD
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動画でライブ映像を見たことはあったんですが、アルバムを聴くのは初めてです。
もう9年前の作品なのですね…。
結論から言うと、ミスマッチから起こる化学反応を期待して失敗したアルバムだと思いました。
普段はこういうのについて書かないんですが、色々と考えるきっかけにもなると思い、記しておきます。
まずサウンド。
かなりロック寄り(松本氏寄り)につくられており、全然チルできません。
ジャズフュージョン的な、クリアで空間を感じるサウンドを期待していると肩すかしを食らいます。
その(全体の)サウンドとカールトンのウォームでリラックスしたギターサウンドが全然マッチしておらず、聴いているとカールトンがオケに負けている感じがして残念でした。
しかし楽曲はというと、どちらかというとカールトン寄りで、ジャズフュージョンの文脈が濃いです。
その楽曲と全体のサウンドもやはりミスマッチで、しかも化学反応は起こっていないように思えます。
そしてプレイですが、これはどうしても松本氏の存在がミスマッチで、やはりここも化学反応が起こっておらず、聴いていて「う~ん…」とむずがゆくなってきます。
上手い下手ではなく、最後まで「何か違う」んですよねえ……。
もちろん松本さんがジャズフュージョンの文脈で流暢に弾かなくても、いつもの感じで化学反応さえ起こっていればよかったのですが、どう聴いてもそれがありません。
結局、
カールトンと全体のサウンドのミスマッチ
楽曲とサウンドのミスマッチ
松本氏のプレイのミスマッチ
これらが上手く化学反応を起こせなかったという点でこの作品は失敗したんだと思います。
もちろん、社会的(セールス、話題など)には成功したんでしょうが。
この作品について様々な邪推があるようですが、個人的にはカールトンが2010年におけるフュージョンを追い求めてジャパニーズギターヒーローに白羽の矢を立て、ベテランの貫禄で松本氏の土俵でアルバムをつくったものの、うまく化学反応が起こらなかった作品、と解釈しています。
ジャズフュージョンファンや、カールトンフリークはスルーするべき作品でしょう。
松本さんが好きで、ジャズフュージョンも聴かない、カールトンって誰? な人は楽しめるのかも。