横浜ギター教室にてギターを教えている中で、痛みについての相談を何度も受けてきました。
そういった相談者はたいてい二種類に別れます。
痛みをきちんと疑問視できている人と、痛みを「そういうもんだ」と納得してしまう人。
痛みを疑問視できている人は、何かがおかしいから痛みが発生していると考え、一旦部分的にあるいは全ての練習を中断して原因を探ろうとします。
その過程で僕の教室に来られる方もおられます。
こういった方は、まだ腱鞘炎などの怪我も発症しておらず、練習も中断したり探り探りやっているので変な癖がついていないので、矯正は簡単です。
一方、痛みを「そういうもん」だと納得してしまう人は、既に腱鞘炎になっていたり、癖が強くついてしまっている場合があるので、矯正に時間がかかることが多いです。
あと、日本人は痛みに耐えて頑張ることを肯定的に捉える癖があるので、楽なフォームに心理的な違和感を覚える場合もあります。
正しいこと=苦しいことであり、正しくかつ楽なことは存在しないと考えるタイプがそれです。
ただ、痛みは絶対に悪かというとそうでもなく、演奏のために必要な筋力を鍛える場合には痛み(辛さ)に耐える必要があります。
この場合は立場が逆転し、痛みを疑問視する人はなかなか筋力がつかず、フォームがいつまでも完成しません。
一方、痛みを許容できる人は、筋肉疲労や筋肉痛に耐えてさっさと筋力をつくり、フォームを完成させていきます。
結局、痛みを疑問視する人と許容する人、どっちが正しいかというとどっちも正しくて正しくないということになります。
もちろん、教室では悪い痛みは疑問視し、正しい痛みは許容するように教えていますが、痛みに対してそんなに臨機応変な対応が出来る人はなかなかいません。