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追い詰められて開花した能力は自分のためにならない


八幡謙介ギター教室in横浜

僕の世代は、「人は追い詰められれば能力が開く、だからだからぎりぎりまで追い詰めることが愛情」という考えが一般的でした。

もちろん、全ての指導者がそうだったわけではありませんが、上記のことは普通の指導風景としてまかり通っていました。

こういった、人を追い詰めて無理矢理能力を開花させる方法で実際にレベルアップし、何かを成し遂げた人はそれなりにいます。

そうして結果が出たことで追い詰める指導を正当化し、指導者は継続し、周りも承認していきます。

 

僕もそうやって追い詰められて何かを成功させたり能力が開花したことはありました。

ただ、そうした指導に関して後で考えたときに、どうしても心から感謝したり、自分の自信の源として再確認するという風にはならず、どちらかというと「あのときはきつかったな……」「あの時間が終わってよかった」と、追い詰めてくる人がいなくなったことに安堵している自分がいます。

ただ、いくつかの事例に関しては何度思い出してもポジティブな気持ちが湧いてきます。

それは、自分で自分を追い詰めたときです。
どんなに信頼している人でも、他人に追い詰められると本能的に恐怖や不安、自己防衛などの感情が湧いてき、その相手に無意識的な拒否反応が起こります。

それは時間が経てば経つほどよくわかってきます。

だから世間一般の常識として、自分をレベルアップさせてくれた人に感謝や尊敬をいつまでも持っているはずなのに、どうしてもそれが薄れていってしまいます。

そうして、自分を追い詰めてきた指導者と距離を取れたとき、どこかでほっとしている自分に気づきます。

そこから、追い詰められた記憶を風化させる作業がはじまります。

 

一方、自分で自分を追い詰める場合は、追い詰めるのも追い詰められるのも自分の意志なので、時間が経っても心に拒否反応が起こりません。

それどころか、時間が経つほど自分の自信につながっていきます。

当然、自分の糧になるのはこちらです。 

 

上の世代の指導者はよく「相手のことを想って追い詰めてやったのに感謝もされない、すぐに離れていく……」とぼやいていて、僕も以前はそうして感謝しない人を恩知らずだと反面教師にしていましたが、40になってようやく「そりゃ離れるわな……」と納得できました。

追い詰めてくる人から精神的、物理的に離れるのは人というか生物としての本能だし、当然のことです。

 

周りに自分を追い詰めてくる人がいて、もし「これに耐えたらレベルアップできるかも?」と思って耐えている人がいたら、さっさと距離を置いたほうが賢明です。

レベルアップはできる可能性がありますが、十中八九いい思い出にはなりません。

それどころか、そうした異常な状況に長く自分を置いてしまうと、自分が将来同じ立場になったとき、平気で誰かを追い詰める人になってしまうかもしれません。

そういった意味でも、追い詰められた開花した能力は自分のためになりません。