現在手元に、フェンダーUSA(Fender USA AM VIN 56)とジャパン(Fender Japan ST-62TX)のストラトがあります。
この2つの違いが非常に面白いです。
右がジャパン、左がUSA。
ジャパンの方は、誰でも弾きやすいように工夫されており、サウンドも最初からいい感じのところが出るように設計されています。
一方、USAはとりあえず弾きにくいw
楽器店の調整にも問題があるのですが、デフォルトの状態ではなかなかポテンシャルがつかめません。
ただし、余白というか、伸びしろはかなり秘めており、そこがわかる人にはワクワクするギターです。
そして、自分好みにセッティングしていくと、いちいちギターが反応してくれるのでものすごく楽しかったです。
それこそ、サドルを1ミリ下げただけ、ピックアップを0.数ミリ上げただけ、スプリングハンガーを 1ミリ伸ばしただけで全然音が変わってきます。
しかも、「ここをこうしたら悪くなった」という結果にならず、音が良いままで個性が変わってくれるのです。
フェンダーUSAを初めて手にして、ギターをいじるのがこんなに楽しい事なのだと知ることができました。
ジャパンは良い意味でお客様第一主義。
お客様であるプレイヤーのためにできる事は何でもやるというスタンスが感じられます。
だから、最初からちょうどいい感じです。
一方USAは、言うなればプロダクト至上主義でしょうか。
良いモノを作ることが目的であり、それが一人一人の顧客にとっていいか悪いかはまた別の話。
「俺たちは確かに良いものを作った、だからそこから先はお前がどうにかしろ」と言われている気がします。
ここに不満をを感じる人は、特に日本人には多いのではないかと思います。
巷でよく聞く「フェンダーUSAは名前だけ、たいした音がしない」という説は、ただその人が使いこなせていないという可能性がかなり高いです。
これは、USAとジャパンどちらがいいか悪いかという話ではありません。
アメリカでも、フェンダージャパンのファンは多くいると聞いたこともあります。
そもそも、メイドインジャパンに首をかしげるのは世界でも日本人ぐらいのものでしょう。
初心者だから扱いやすいジャパンにした方が良いかと言うと、一概にそうとも言えないかもしれません。
本気でギターをやりたいのなら、ちょっと無理してUSAの上位モデルを入手し、そのギターで良い音が出せるようになるまでがんばってみるというのもいい練習になると思います。
とはいえ、扱いやすいジャパンから入るのもそれはそれで 十分メリットはありますが。
これが正解だと言えないところが難しいです。