「夢は強く願っていればいつかかなう」 とよくいわれます。
僕はこれを昔から信用していませんでした。
だから、関西でも横浜でも教室の若い生徒さんにも一度も言ったことがありません。
が、過去を振り返ると「もしかしたら本当かも」と思えるふしがあります。
実は僕は、昔から持っていた夢は全部実現させています。
あえて全ては言いませんが、ひとつは 本を出すことです。
それ以外にも、「こういうことがしたい」「こうなったいいな」と思ってきたものは全部かなっています。
ただ、僕の場合はそういった夢が比較的小さいのと、名声とは関係ないので、地味にかなって地味に終わっていったという特徴があります。
一方で、持っていない夢は全くかなっていません。
例えば、僕は昔から大きな会場で演奏することや、有名なアーティストと共演することには全く興味がありませんでした。
バンド時代からホールよりライブハウスの方が好きだったし、ジャズをはじめてからも、会場の大きさや格式には全く興味なく仕事をしていました。
また、もともとじゃんけんで負けてギターをはじめたぐらいですから、憧れのアーティストなどもおらず、誰々と共演したいという夢も一度も持ったことがありません。
キャリアポルノに興味がないという性格もあります。
で、あるとき「そういえばホールでやったことがほとんどないなー」と思い返したとき、「ホールで演奏したい」「もっと大きい会場でやりたい」と一度も思ったことがない自分を発見したのです。
夢として持っていかなかったから、やる機会が訪れなかったのかな、と。
一度だけ、アメリカにいたとき、某フェスで観客が海みたいになっているところでやったことがありますが、野外だし、それだけ人がいたのもまあ偶然みたいなもんです。
これらは、たまたまではなく、夢として思ったことがないからかなわなかったと解釈することもできます。
まあ、夢ではないからかなわなくても全然いいし後悔も一切ないのですが、もし夢として例えば「武道館でやりたい」と思っていたらそういう機会も訪れたのかもしれません。
ということで、夢は持っておいた方がいいのかなとふと思ったりもしました。
でもたぶんそういう教え方はしないでしょうが。