ミュージシャン志望の人が今すぐやるべきこと、それは、嫌いな音楽、興味のない音楽を片っ端から聞くことです。
特に10代から20代半ばまでの人はこれを徹底してやっておくと後々かなり楽になります。
なぜ嫌いな音楽や興味のない音楽を聴かないといけないかというと、あなたが好きな音楽よりも興味ない音楽の方が絶対に量が多く、しかもいいものが多いからです。
だから、できるだけ早くそれらに触れておくべきなのです。
仮にそれらを好きになれなかったとしても、情報として触れておくと、後々役に立つようになります。
僕自身も、先生や先輩からあれ聞け、これ聞けと言われてしぶしぶ聞いてみて、何が凄いのかさっぱりわからないということが多々ありましたが、今となってはいい経験だったと思えます。
分かる分からないではなく、本物の音楽に早くから触れておくことで、ぼんやりと自分の中に基準ができていくのでしょう。
若いうちは何が本物かわからないし、得てしてそういうアーティストを否定し、敬遠しがちです。
そして、自分の好きな、狭い狭い範囲の音楽に没頭してしまう人が多々いるように思えます。
実際に歳をとってみるとわかるのですが、蓄積がない人はすぐに枯渇します。
早くて20代後半からもうアイデアがなくなってしまう人もいるでしょう。
また、何を作っても、何を弾いても世界中に何百万通り存在するやりつくされたことばかり、という人もいます。
そういう人は、好きなことに比重を置いてきたはずです。
そんな風になりたくなければ、今から興味のない音楽だけを聴いていくことです。
「好き」なんていう感情はいい加減なもので、今は永遠に続くと思っていても、明日にはコロっと気持ちが変わっているなんてことざらです(永遠に好きだと思っていた恋人に一瞬で冷めたなんて経験は誰しもあるでしょう)。
10代で好きな音楽なんて20代ですぐに興味なくなりますから、心配はいりません。
と、こんなことを言ってもどうせ誰もやらないんでしょうが。
だから強制しないとダメなんですが、そうすると老害と言われるので困った世の中です…