まとめ癖についてこちらに書いたことの続きです。
要約すると、まとめ癖とは、
・新しいことを習っているのにいきなり自分の頭でまとめてしまう
・そのせいで、いつまでも”今の自分”から脱却できない
そのため、成長できない人のことです。
そして、改めて考えてみると、やはりまとめ癖のある人は変化を拒んでいることがわかります。
例えば、横浜のギター教室に来ていた若い子にまとめ癖をもっている人がいました。
その人はプロになりたいと言うので、じゃあ音楽的な幅を広げないといけないね、そのためには嫌いな音楽を聴くべきだと説明しました。
すると、苦笑いをしながらもごもごと反論してきて、結局いくら説明しても自分が好きな音楽から離れられないようでした。
また、別の方は、こちらがベストだと思えるプランを出しても、最終的には自分の考えでレッスン内容を決めてしまっていました。
これではせっかくレッスンに来ているのに、独学でやっているのと同じです。
そんな例はかたちを変えていくらでも存在します。
変化したくないというのは一種の精神的防御反応なのでしょう。
変化(成長)するためには必ず今の自分を少しでも壊さないといけません。
そして、何かを壊すと一旦は落ち込んだり、あるいは技術が低下したりしますが、その後に必ず成長が期待できます。
そのとっかかりである”壊す”という作業の回避として<まずまとめる>という作業がでてくるのではないかと思います。
恐らくこのへんは心理学の文献でもあされば実例が出てくるんでしょうが。
新しい何かが目の前に現れても、まず今の自分の知識や経験で予測し、まとめてしまえば、それはもう(自分の頭の中では)解決済みとなります。
頭の中だけとはいえ、解決したわけですから、何かを壊す必要はありません。
そうして、”今”の自分を全く変えないまま新しいことを安心して練習できます。
当然、これは矛盾しています。
新しいことが本当に理解でき体得できているのなら、それを改めて習う必要はないし、まだ理解も体得もできていないのなら、まとめることはできません。
理解も体得もできていないのにまず頭の中でまとめる、という作業がおかしいのです。
そして、もうこの時点で<新しい何か>に含まれる自分を成長させる未知の要素をはじいてしまっているので、結果的に成長は望めなくなってしまいます。
これら一連の心理的行動の原因は、変化の回避でしょう。
よくも悪くも自我が強く、ヴィジョンが明確なので、仮に成長のためだとしてもそれらを崩されるのを無意識に回避してしまうのではないかと推察します。
そして、未知の何かに出会ったとき、それを”今”の自分のレベルに組み変え、まとめてしまう……
こうしたまとめ癖を自覚している人は意外といるようです。
ではどうやって治せばいいかというと、それは僕にはわかりません。
自分が全く手も足もでないほど未知の世界に触れたら変わるかもしれませんが、そこでもやはり「これはこうですよね」とまとめている人もいるので、変わるのはかなり難しいのでしょう。