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感心と感動 音楽におけるこの二つの違いは?


八幡謙介ギター教室in横浜

僕は、音楽を聴くとき、感心と感動をはっきりと分けることにしています。

すると、今まで見えていなかったことが見える(聞こえる)ようになってきました。

 

感心と感動の違いは何でしょうか?

感心は、技術的な現象への称賛の気持ちです。

また、そこに費やされたであろう努力へのねぎらいや、ある種の承認なども含まれます。

感心は、概ね思考が優先され、思考の後に発生します。

音楽を聴く→技術の凄さを確認する→感心する、といったプロセスを辿ります。

だから、感心は分析可能です。

そのせいか、感心(本人は感動のつもり)している人は饒舌で、SNSなどに書いていることもわりと明晰です。

一方、感動はもっと直接的で分析し辛い性質を持っています。

感心は論理先行、思考優先であるのに対し、感動は感情先行で思考は後からついてきます。

 

 

気がついたら涙が出ていた、鳥肌が立っていた、釘付けになっていた(それらに後から気づいた)というのが感動です。

思考が後から追いつく(あるいは追いつかない)ので言語化し辛く、感動したという体験談もだいたい支離滅裂となります。

 

ざっくり言うと、思考よりも感情が先に動けば感動というわけです(別に「感動」という字面からこれを思いついたわけではありませんが)。

SNSでは頻繁に「感動した」といった動画がシェアされ流れてきますが、恐らく感心したんだろうなというものが大半です。

なぜなら、それらに付随するコメントはだいたいが分析的で、「○○だから凄い」とわりと的確なコメントが寄せられているからです。

それらを見てみると、確かに「凄いなー」とは思いますが、残念ながら心が先に動いたことはほとんどありません。

「ああ、ピッチが正確だなあ」とか「タイムがいいなあ」とか「上手いなあ」と感心するだけです。

そして、それらの動画が自分に何らかの影響を与えるということは今まで一度もありませんでした。

ですので、僕は感心と感動を分けて、感心したものは「ふーん」と適当に流すようにしています。

感動したものには恐らく何かがあるので、注意深く観たり考えたりするようにしています。