自分のピッキングを持つことにどんなメリットがあるのか?
個性がつくれる
演奏が安定する
上達する
その他いろんなメリットがあります。
中でも一番便利なのは、機材選びに迷わなくなることです。
自分はいつでも必ずこうピッキングしているというスタンダードがあるということは、楽器への入力が一定しているということです。
しかし出てくる音は違います。
ということは、その違いは楽器(機材)そのものの違いと考えられます。
逆に楽器への入力(ピッキング)が常に不安定だと、出てくる音の違いがピッキングによるものなのか、楽器(機材)の違いによるものなのかがわかりません。
その結果どうなるかというと、理想の音を求めて機材沼にはまっていきます。
あるとき最高だと思って買った機材が、しばらくするとなんだか気に入らなくなってくる、こないだまでいい音が出ていたのに急にしょぼく感じられる、でも原因がわからない、そうか、この機材は自分が求めていたものと違ったんだ! もっと別の機材を使えば自分の求めている最高の音が出せるはずだ!
そうやって機材を買っては売り、売っては買う人が大勢います。
借金も厭わないという人もいるでしょう。
もちろんエレキギターは機材が多く、組み合わせは天文学的な数字になるので、あれこれ試してみることは必要です。
ただそこに基準がないと、判断があいまいになってしまいます。
その基準こそが入力値としてのピッキングです。
自分のピッキングを持つと、違うギター、違う機材を弾いてみたとき、その差違がびっくりするほど鮮明になります。
サウンドはもちろん、ちょっとした周波数の特性まではっきりと見えてきます。
また、同じギターでもコンディションの違いがはっきりと分かるようになります。
これだけでも一生モノの宝を手に入れたようなもんです。
ギターのピッキングを訓練する最大の意義は、もしかしたらここにあるのかもしれないと最近は思っています。
テクニックも大事ですが、やはり音楽はサウンドが命なので。
膨大な機材の海から自分の理想のサウンドを手に入れるためには、確固たるピッキングが必要不可欠だと僕は思います。
追記:ピッキング理論を「ギタリスト身体論3」として書籍化しました。