これは自戒の念を持って書きます。
ジャズミュージシャン(この場合は”どジャズ”)は、えてして偉そうです。
というか、ほぼ間違いなく自分は偉いと心のどこかで思ってます。
そして、それがふとしたときに表に出てしまっています。
だからジャズミュージシャンを露骨に嫌う人もいます。
実際にお話したあるライブバーのオーナーは、正に「ミュージシャンが偉そう」という理由でジャズの演奏をNGにしていました。
こういったことはジャズの現場から離れるとよく分かります。
とはいえ、ジャズミュージシャンからこの偉そうな空気はたぶん消えないと思います。
というのは、ジャズでお金を取れるようになるまでには相当な苦難があり、皆それを乗り越えてきたという矜恃があるからです。
さらに悪いことに、ジャズでは稼げないという現状があります。
この、稼げないことがジャズミュージシャンのプライドを余計にくすぐってしまいます。
一生懸命練習して修行し高度な技術を身につけ、やっと仕事ができるようになったのに、ぜんぜん稼げない、巷では下手クソなアイドルやバンドがばんばん売れている、俺たちの方が上なのに……という嫉妬が転じて、自分たちは清貧だ、芸術に身を捧げる本物のアーティストだ!だから偉いんだ!と勘違いしてしまう傾向がジャズミュージシャンにはあります。
違います、エンタテイメントとしてつまんないから売れないだけです。
だから全然偉くないんです。
もちろん、人が集まらなくてもいい、それでも自分たちの音楽を追究する!というのならそのままでいいと思います。
僕もフリーをやるときはそんな感じでやってました。
それはそれで、逆に「なんだこれは?」と興味を持ってくれる人もいますしね。
ただ、「ジャズに人が集まらない」と嘆きながら自省しないのはおかしいと思います。
すでにジャズミュージシャンとしての空気を纏ってしまった方は仕方ないとして、これから無謀にもジャズで食っていこうとする人は、とりあえず偉そうな空気が出ないように気を付けると、とっつきやすくなり人も集まってくるんじゃないかと思います。