以前から不思議に思っていたことですが、例えばある人が「俺はロックだ!」と言っても即座に否定する人はほとんどいません。
もちろん嫌悪感を示す人はいるでしょうが、それもその人がロックだと言うことを認めた上での嫌悪感です。
しかしアイドルはなぜか「いやいや、それ自分で言ってるだけでしょ…」と認めようとしない風潮があります。
これって何なんでしょうか?
これだけアイドルが身近な存在になっても、やはり昔のような選ばれし人でないとアイドルとは認めないという意識があるのでしょうか?
とはいえ、これはそんなに悪い風潮でもないような気もします。
例えばロックについて、今でも日本人にはよくわからないところがあります。
よくわからないけど既に市民権を得ているから、大多数の人は「お、おう」ととりあえず認めておこうとするのでしょう。
一方で「私アイドルよ!」を簡単に認めない背景には、日本人の大多数にアイドルとはかくあるべし!という理想が存在するのではないかと思います。
だから簡単に認めたくないのでしょう。
当のアイドル自身も、日本人が持つアイドルへの理想の高さと、「私アイドルよ!」の一言でスキルもなくアイドルになれてしまう現実のギャップに苦しんでいる様子がときおり垣間見まれます。
僕はその部分がちょっと文学的でぞくぞくしてきます。
ロックがまだ社会に認められていなかった時代のロックは輝いていました。
アイドルが社会に完全に受け入れられたとき、アイドルのキラキラはまだ保たれているのでしょうか?…