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プロミュージシャンを目指す 9 プロになりたかったら音楽に金を使うべし


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前回の記事

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音楽にお金を使うということ

よく、ある業界で仕事がしたかったらその業界に金を落とせみたいなことが言われます。

そうしないとプロになれないし、一流になれないよ、と。

僕もそう思います。

そして、これはオカルトでも験担ぎでもありません。

以下、業界にお金を落とす意義を具体的にご説明します。

 

2010年代あたりから無料ビジネス、無料プロモーションが台頭し、音楽もその流れを受けて随分無料コンテンツが増えました。

音源はYOUTUBEやTIKTOKで無料で聴けるからCDは買わない、ライブ配信で好きなアーティストと定期的にふれ合えるから有料イベントも行かない。

もしかしたら、ライブは有料だから行かないという人もいるのかもしれません。

また、楽器のレッスンはYOUTUBE上で全て無料で受けられるから教室には通わない、スコアもネットのどこかに誰かがUPしてくれているから買わない……

DAWはバンドルソフトで、プラグインはフリーのものを探してきて使うだけ。

音楽活動は動画やSNS経由のみ。

一般リスナーはもちろん、プロを目指して音楽活動をしている人でも音楽に全然お金を使わない、使わなくていいという時代になってきたと思います。

 

さて、そうやって音楽に全くといっていいほどお金を使わないとどうなるか?

それぞれのアイテムやイベントの価値が分からなくなります。

例えば曲。

1曲300円でDLしたとすると、自然とその曲に300円の価値があるかどうかを品定めしますよね?

2、3回聴いて厭きたら、300円出す価値なかったなと後悔するでしょう。

逆に何日もヘビロテで聴くような曲だったら、値段以上の価値を感じると思います。

 

イベントならどうでしょう?

3000円で参加したイベントが進行はグダグダ、ファンサも中途半端、演奏を期待していたのにトークだけとかだったら3000円出す価値はないと判断しますよね?

逆にトークあり、演奏あり、ファンサあり、サプライズありで笑ったり感動したり興奮したりしてあっという間に終わったイベントだったら3000円以上の価値を感じるでしょう。

 

人はそうして、無意識にコンテンツの価値を判断しながら生きています。

その基準がお金です。

ではそれが全て無料だったら?

つまんない曲も、グダグダのイベントも「無料だし、まいっか」と流してしまいます。

そうして、いつまでもそれらの価値が分からないままです。

毎回お金を出して自分が触れるコンテンツの価値を常に判断してきている人と、無料でしかコンテンツを享受せず、それ故に価値を判断する機会を損なってきている人、いざ提供する側に回ったときどっちがより価値のあるものを創造できるでしょうか?

もちろん前者です。

 

単純な話、1000円で妥当なコンテンツを知っていたら、800円でそれを上回るコンテンツを提供すれば集客や売り上げは期待できますよね?

一方、自分が作ったコンテンツの妥当な価値を知らなければ、値付けを見誤ったり、値段に見合う価値を提供し損なったりし、その結果購入者に不満を持たれてしまいます。

 

コンテンツの価値は、そのコンテンツに何度もお金を払って自分が体験してみないと分かりません。

だから音楽なら音楽にきちんとお金を払い、満足したり、不満を持ったりしながら少しずつ自分の中に音楽の価値を植え付けていくのです。

昔はお金を払わないと何もできなかったので自然とそうなっていましたが、今は意識しないとできない時代になっています。

 

もちろん今は不景気で若者はお金がないというのも知っています。

でも、僕の時代だって若者は基本お金なかったですよ。

そんな中どうにかこうにかやりくりして音楽に触れてきたのです。

改めて考えると、無料ビジネスがなかったからとはいえ、そうしてきちんと音楽にお金を払ってきたから今自分が音楽を教えてお金をもらえるんだと思えます。

僕の場合だと、いろんな先生にお金を払って習ってきたからレッスンの価値が分かるようになりました。

 

プロになりたかったらちゃんと音楽にお金を使いましょう。

もちろん使える分だけで結構です。

人はお金を払わないとモノの価値が分かりません。

価値の分からない人に価値のあるモノは創造できません。

 

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