八幡謙介ギター教室in横浜講師のブログ

【横浜ギター教室】講師八幡謙介が横浜でのギターレッスンや音楽について綴るブログ。ジャズ多め。

「プロヴァンスの休日」レビュー

サウンドハウス

公式動画

youtu.be

 

 

公式サイト、他

ja.wikipedia.org

公開

2017年

監督

ローズ・ボッシュ

キャスト

ポール・マグレ:ジャン・レノ

イレーネ:アンナ・ガリエナ

アドリアン:ヒューゴ・デシュー
レア:クロエ・ジュアネ
テオ:ルーカス・ペリシエ
エミリー:ラファエル・アゴゲ

チアゴ:トム・リーブ
マガリ:アウレ・アティカ
ジャン・ミ:ジャン・ミッシェル・ノワレ

 

 

感想

「レオン」のジャン・レノと「髪結いの亭主」のアンナ・ガリエナが共演ということで視聴。

k-yahata.hatenablog.com

夏休みをプロヴァンスの田舎で過ごすことに文句たらたらのパリっ子兄妹、それをなんどかなだめる祖母(アンナ)、母親はカナダに留学中で父親も不在と、家族関係の複雑さがうかがえる。

駅まで迎えにきた祖父(ジャン・レノ)はぶっきらぼうで、波乱の休日が始まる予感。

ネットもつながりにくく、食事も田舎風、人々はパリと全然違い、遊びも牛追いやフラメンコダンスなど田舎臭い。

しかし、最初は文句たらたらだった子供たちもだんだん田舎の風情に慣れてき、それぞれお目当ての相手を見つけ、楽しもうとする。

また、複雑な家族関係が徐々に紐解かれていき、それぞれの葛藤が浮き彫りになっていく。

ただ、視点はあくまで大人というか祖父母目線。

最低でも50代後半以上向けに作られた映画だということがだんだん分かってくる。

若者は全然共感できないと思う。

 

 

プロヴァンス地方は、フランス南部の地中海に面した地域で、印象派の絵画で見るような光と木々がどこかノスタルジーを誘う。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%B9

東部はイタリアに接しており、なんとなくイタリア人っぽい登場人物が出てきたり、スペインっぽい感じもあった。

作中で現地の人がパリを「北部」とざっくり言っていたが、たぶん本当にそういう感覚なのだろう。

歴史を知らないので細部は分からないが、プロヴァンスの風情や気質をしっかり作品に落とし込んでいる気がする。

 

 

2017年の作品だが、作中十代の兄妹は既にスマホやSNSに夢中でとてもイマドキな感じ。

それらにうとい祖父とのジェンダーギャップも面白かった。

あと、幼い次男は話すことができず、手話で会話するのだが、それがとてもいいアクセントになっていた。

ただそれらがプロットに関係していたかというと特になく、なんでそういう設定にしたのかは不明。

可愛いからいいけど。

 

本作では作中、クラシックロックやフォークソングがふんだんに使われており、それらがフランスのノスタルジックな風景と相まって独特の雰囲気を醸し出していた。

以外と南仏の風景にロックも合うもんだなと妙に感心。

フランス人がハーレーに乗ってバイカーやヒッピーの格好をしてるのもなんか面白かった。

 

肝心のストーリーは家族の葛藤を描きながらゆっくりと進み、後半で一つ事件が起こっておじいちゃん(ジャン・レノ)が奮闘といった感じで、正直ぬるいというか、つまんない。

特にジャン・レノは「レオン」のイメージが強いので……

最後にふわっと大団円にして終わるところもフランス映画っぽくなく、個人的にはイマイチだった。

あんなにこじれていた家族がそんな急に元通りになるか?

ややプロットありきの感が強く、もうちょっとフランス映画らしく繊細に心を描いてほしかった。

南仏にこだわっているわりにはアメリカ文化がやたら出てくるところも、作中はいいけど視聴後はなんか変な雑味が残ってしまった。

個人的には残念な作品。

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