中田敦彦氏の松本人志批判「松本人志氏への提言」が話題を呼んでいます。
個人的には松本さんも中田さんも面白くて好きなのでどっちの肩を持つというのはありません。
また、お笑いは最近あまり観ておらず、今後のお笑い界にも特に興味ないので、本筋の議題は個人的にはどうでもいいです。
ただ、中田氏がなんでお笑い界、芸能界の絶対的存在である松本さんを堂々と批判したのかはちょっと気になります。
なんとなーく理由を考えていたら『あ、そうか』と腑に落ちたことがあったので書いておきます。
普通に考えたらいくら売れっ子でYoutube登録者500万人越えとはいえ、松本さんに真っ正面から喧嘩をしかけて勝てるわけがないと誰でも分かります。
しかも、こんな動画を出したら今まで良好な関係性だった芸人たちからも相手にされなくなり、相方も危険にさらすことにもなりかねません。
中田氏もそれぐらいは分かっているでしょう。
ではなぜ今回の動画を出したのか?
恐らく松本批判の真の目的は、
人々に松本と中田を強制的に比較対象と認識させるため
だと思われます。
そもそも中田氏と松本氏では芸歴や格が違いすぎて比較対象にすらなりませんでした。
恐らく正攻法では中田氏は未来永劫松本氏には勝てないどころか比較すらされずに終わっていくでしょう。
そこで、中田氏は登録者500万人まで育て上げたYoutubeと持ち前の論理を武器に、突如松本批判を行います。
それを受け、すぐに無数のリアクション動画やツイートがUPされました。
中田よく言った
お前ごときが
確かに松本への権力集中は異常だ
いやいや、松っちゃんの業績を考えろ
松本は偉大だけど中田の意見も分かる……
いろんな意見が出ていますが、中田氏の真意はこの動画をバズらせることや、Youtubeの登録者を増やすこと、共感させて味方を増やすことでもなく、また意図的な炎上でもないと僕は感じます。
では彼の真意は何かというと、人々に松本さんと自分を脳内で比較させることにあるんだと思います。
そもそも、この動画以前に誰が松本氏と中田氏を比較対象として認識したり論じていましたか?
誰もが松本氏の方が圧倒的に上だとごく自然に認識していたはずです。
それが今回の動画で<松本VS中田>という構図ができあがり、たった一晩でまるで永遠のライバルのように取り上げられるようになりました。
もちろんリアルな実績や権力、人脈、ポジションなどはあいからわず松本氏の方が圧倒的に上ですが、大事なのはそこではなく、人々の意識の中に<松本VS中田>という構図を生むこと、つまり脳内革命を起こすことにあったのです。
本件についてあーだこーだと言っている人は、中田氏の起こした革命に乗せられ、それまで一度も考えたことすらなかった<中田VS松本>を宣伝し、中田氏を一晩で松本氏のライバルという位置までかつぎ上げるおみこし要員として見事に機能していることになります。
まあ僕もそうなんですが…
もちろんこの現象にはまだ実体はありませんが、恐らく中田氏はこれを第一段階とし、ここから実を取りにいく策(本当に松本氏と肩を並べる立場になる)を用意しているのでしょう。
ここまで野心に満ち満ちた人も近年珍しく、歴史上の人物や出来事を観ている感じがあって面白いです。
個人的に本件について最も論理的に考察している動画はこちら。