3月14日にリリースした最新小説「未来撃剣浪漫譚 Last Paradise」の感想がぼちぼち届きはじめました。
ちなみに、いつもそうなんですが、小説や教則本を刊行すると、まず達成感に包まれつつ、疲労感にうんざりしながらそれなりに幸福な数日を過ごし、その後売れ行きなどを確認しつつ『あれ、もしかして俺は最低の小説を書いてしまったのかも…駄作だから誰も何も言えなくてそっとされているだけなのかも……』と不安期に突入します。
感想が出始めるとその不安は少し和らいでいきます。
それは批判的なものでも肯定的なものでも同じです。
さて、今回は長編小説ということもあり、刊行後2週間程度でやっと感想が聞けました。
反応はだいたい次の通り、
・今までよりエンタメしてた
・キャラがいっぱいで楽しい
・サプライズはしっかりあった
・スピード感があった
・伏線回収がよかった
・ブランクがあるのでダメだろうなと思ってたけど良い意味で期待を裏切られた
・主人公の成長がよかった
などなど、まあ知ってる人からということもあり、肯定的な意見が多かったです。
そうなるとまた全然知らない人からの厳しい意見も聞いてみたくなるので不思議です。
誹謗中傷や全然読めてないのは論外として、ちゃんと批判的に読んでレビューしてもらえるのはありがたいので、暇な人はお願いします。
よく作家さんが、「自分が何を書いたのか分からない」「どういう作品かと聞かれても答えられない」といったことを言いますが、実はあれ本当なんですよね。
もちろん自分ではこうこうこういう作品だと隅から隅まで知ってますが、それはあくまで自分の主観であって、読者が読むと全然違う物語に解釈するということは多々あります。
というか、必ず自分が書いたものと違う読み方をされます。
ではそれが間違いかというとそうではなく、むしろ読者の読み方が正解なのです。
さらに読者は読者で一人一人違う読み方をするんですが、それが一定以上感想やレビューとして集まると、そこにある総意が生まれてきます。
そのときはじめてその作品がどういう作品なのかが分かってくるのです。
だから作者としては刊行したばかりの時点ではその作品がどういう作品で、どういうメッセージがあり、何を伝えているのかが分からないのです。
作品に正直である作者ほどそういう意見になります。
極論すれば、作品ってリリースしただけではまだ存在しないのと同じなんですよね。
だからリリースして何ヶ月も、下手したら何年も感想が出ないというのは、クリエイターとしては本当に地獄の苦しみです。
創作自体は耐えられるけど、感想が出ないことに耐えられなくて脱落するクリエイター、特に作家は相当多いでしょう。
僕の場合、わりと最初から批判や誹謗中傷も含めてリアクションが出ていたので、そこはありがたかったなと改めて思います。
そして、シリーズ9年振りの新作を待ってくださっていた方々にも感謝です。
ちなみにこの「未来撃剣浪漫譚」シリーズは次で完結します。
いちおう「叡山鳴動(仮)」としています。
ずーっと引っ張ってきた叡山の正体がついに明らかとなり、全面対決して終了します。
余談ですが、叡山に恨みは全くありませんw
面白いからそういう設定にしているだけです。
また、その次、キャラクターを引き継ぎつつ新シリーズに突入する予定です。
ただ久々の長編でかなり疲れたので「叡山編」は2024年執筆開始予定とします。
プロットはもうだいたいできてるんですが、長編書くのは体力がいるので…
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