【略史】
1935年、矢入楽器製作所を設立。
1962年、創業者の長男である矢入一男氏が渡米し、ギター製作を学ぶ。
1965年、社名を株式会社ヤイリギターに変更、一男氏が代表取締役に就任。
以後、徹底的な品質管理の下、少数生産で質の高いギターの製造を続けている。
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【公式Youtubeチャンネル】
本シリーズで簡単に述べてきましたが、日本のギターメーカーは70年代~80年代にかけて平然とギブソン・フェンダーのパクリを行ってきました。
そのせいで訴訟もされています。
しかし矢入氏はパクリが横行する以前にちゃんと渡米してギター製作をアメリカで学んでいます。
62年というとまだ固定相場で1ドルがなんと360円の時代です!
もちろんそれだけでなく、戦後17年しか経っていない元敵国ですから、滞在時には相当な困難があったことが容易に想像できます。
90年代以前の日本のギターメーカーで安易にパクリに走らなかったのはヤイリぐらいじゃないでしょうか?
違ってたらすいません…
様々な音の成分が絶妙にブレンドされた、まるで日本の高級ウイスキーのような音。
ある時期に生徒さんがヤイリを購入され、ずっとレッスンで使っておられるのですが、購入当初はまだブレンドが若い印象、その後だんだん音が混ざってきて成熟した一本のアコースティックギターに成長していく感じでした。
あと、季節で全然音が変わるのも特徴かもしれません。
冬はシャープでクリアな音、夏はモタっとしたやや抜けの悪い音がします。
木の質がいいとどうしても気候の影響を受けやすくなるんでしょう。
あと、個人的には、ヤイリでブルースはちょっと違うのかなという印象があります。
いい意味で日本的な、何にでも調和するサウンドがします。
どっちかというと、弾き語りよりはバンドの中で存在感を出してくる音。
ヤイリ愛用者にバンドマンが多いのも特徴です。
ヤイリとBEGINが共同開発した4弦アコースティックギターもあります。
伝承に特化したメーカーというだけではないようです。
ヤイリギターには永久保証システムがあり、一度購入すれば永久に修理してもらえるようです。
修理代もリーズナブルだとか。
歴史、品質、保証、どれをとっても文句のつけどころのないメーカーで、楽器はそれなりにお値段しますが、その価値は十分あると思います。
一発気合い入れてアコギをはじめるならヤイリは選択肢に入れておいて間違いないでしょう。
など